全校挙げて登校時にごみ拾い、拾ったごみの多くは大人の…ふるさと守りたいと児童が発案、毎月30日を「ごみ0デー」に制定 出水・江内小

ごみを仕分けする児童ら。右は宮田穂乃未さん、右から2人目が豊島秀世校長=30日、出水市の江内小学校

 鹿児島県出水市高尾野の江内小学校は30日、登校しながらごみを拾う「ごみ0デー」を始めた。全児童66人が環境美化や持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、「きれいな江内であってほしい」と思いを込める。

 企画したのは6年の宮田穂乃未さん。5年時の3学期、総合的な学習でSDGsの一つ「海の豊かさを守ろう」を学び、ごみが原因で海の生き物が死ぬ現状を知った。その後、「古里からごみがなくなってほしい」と登校時のごみ拾いを始めた。4月に入り、豊島秀世校長(51)が宮田さんの取り組みに気付いた。

 宮田さんは5月11日、市内の児童生徒らによる「新世代のための会議」(出水ロータリークラブ主催)にオンラインで参加。他校のボランティア活動を知り、江内小の全児童がごみ拾いをする取り組みを豊島校長と話し合った。原則毎月30日に「ごみ0デー」を実施することにした。

 「ごみゼロの日」の5月30日、66人はビニール袋を手に自宅を出発。空き缶や吸い殻、ペットボトル、使用済みのマスクなどを見つけ拾った。正門前で燃やせるごみなどに分けた。

 豊島校長は「ビールの空き缶や酒のふた、吸い殻など大人が捨てたと思われるごみが多かった」。宮田さんは「ツルが来て、自然がいっぱいな江内が好き。みんなでやるといっぱい集まるから、きれいになる。これからも協力して続けたい」と意気込んだ。

袋を手に登校する児童。左はごみを拾う宮田穂乃未さん=30日、出水市の江内小学校前

© 株式会社南日本新聞社