「ガレリア」に駅ピアノ 加賀温泉駅南口広場 愛称は「KAgNON」

加賀温泉駅南口広場のガレリアに設置されることになった駅ピアノ=加賀市山中温泉上原町

  ●山中塗で「満開の桜」 利用者に癒やしを

 加賀市は1日までに、山中塗の蒔絵(まきえ)で満開の桜が描かれた「駅ピアノ」を、加賀温泉駅南口広場で整備する全天候型広場施設「ガレリア」に設置することを決めた。北陸新幹線の開業に合わせて寄贈を受けたピアノで、公募で愛称は「KAgNON(かのん)」に決まった。ピアノの調べが利用者を癒やし、駅のにぎわいが永遠に続く願いも込められた。

  ●RC50周年事業

 駅ピアノは自動演奏機能付きアップライトピアノで、加賀ロータリークラブ(RC)が創立50周年記念事業として、3月16日に加賀市に寄贈した。同RCが中央公園を桜の名所とするため、1982年から20年かけて達成した「千本桜事業」をイメージし、満開の桜が近代蒔絵で施されている。山中塗を広く発信する意味も込めた。

 加賀RCが愛称を公募したところ、612件の応募があった。審査の結果、「KAGAONSEN」からアルファベットを抜き出し、作曲技法の一つのドイツ語で永遠に続くという意味もある「カノン」をかけた「KAgNON(かのん)」が選ばれた。

  ●ハラミちゃんも祝福

 2日に山代温泉の旅館「ゆのくに天祥」で行われる加賀RC創立50周年記念式典で、考案者に感謝状や記念品が贈られる。3月16日の贈呈式で駅ピアノを最初に演奏したポップピアニストでユーチューバーのハラミちゃんも動画で登場し、お祝いと感謝のメッセージを寄せる。

 駅ピアノは現在、市美術館ロビーに仮設置されている。ガレリアは2026年3月の完成を目指しており、市は全面ガラス張りで、はりに木材を用いるガレリアをイベント会場として広く活用していく考えで、完成とともに駅ピアノを移設することにしている。

 加賀RCは1974年6月、加賀市内で最初のロータリークラブとして創立された。

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