「アジア2位に転がり落ちたぞ!」世界ランクで日本女子バレーに逆転された中国の地元メディアが惨敗劇に怒号!「郎平に戻せ」など指揮官へ非難殺到【ネーションズリーグ】

ついに日本が世界ランキングでアジアトップに立った。

現地6月2日、中国・マカオで行なわれた女子バレーボール・ネーションズリーグの1次ラウンド第8戦で、世界ランキング6位の中国女子代表が同5位のイタリアと対戦。パリ五輪出場権を争うトップ2の直接対決に注目が集まったが、結果は中国のストレート負け。第1セットこそ23―25と接戦に持ち込んだが、続く2セットは19-25、16―25と圧倒された。

これで中国は7位に落ち、この日試合がなかった日本は逆転で6位に浮上した。マイナス9.30ポイントの中国は327.57ポイントに落ち込み、329.62ポイントの日本が上回ったのだ。

中国の地元メディアもファンも完敗劇にショックを隠せない。『捜狐体育』は「イタリアにどこまで立ち向かえるかが焦点だったが、あっさり0対3の惨敗を喫した。日本に抜かれてアジア2位に転がり落ちてしまったのだ」と吐き捨て、蔡斌(サイ・ビン)監督の采配に怒りを滲ませた。

指揮官は3年ぶりに代表復帰した朱婷(シュウ・ティン)をまたしてもベンチスタートさせた。これに同メディアは「不可解極まりない決定だ。前節(タイ戦)で大活躍だった彼女をまたフル活用しなかったのはなぜだ! 朱婷はワールドクラスのアタッカーであるだけでなく、経験不足なチームを助ける精神的支柱でもある。蔡斌はなにも分かっていない」と断じた。

さらにファンの声も拾い、「試合直後のウェイボーでは“蔡斌”が全体トレンドワードの2位に上がるほど非難が殺到した。朱婷をはじめとした選手の起用法がお粗末で、流れを変える采配もできないとファンは怒っているのだ」と紹介。「日本に抜かれてアジア2位に落ちた事実は看過できない。もちろんパリ五輪出場の可能性は依然として高いが、これでは本大会に出ても上位進出は難しいだろう。(前監督である)郎平(ラン・ピン)の復帰を望む意見も少なくない」と続けた。
パリ五輪の出場権が懸かる今大会の1次ラウンド(各12試合)。女子バレーボールの五輪出場枠は「12」で、すでに7か国(開催国フランス、アメリカ、トルコ、ブラジル、セルビア、ポーランド、ドミニカ共和国)の出場が確定済みだ。日本は残る5枠(実質上は4枠)を巡る争いの渦中にあり、この1次ラウンドが終了する6月17日時点での世界ランキングが選定基準となる。

日本が出場権を得る条件はふたつ。①ランキングでアジア&オセアニア枠のトップで終えるか、②すでに出場権を獲得している7か国とまだ出場チームが確定していないアフリカ大陸のトップ(現時点でケニアが最上位)を除いた上位3チームに入る、のどちらかだ。

つまり日本は中国よりもランキングで上位にいるかぎり、パリ行きのチケットに手をかけた状態ということになる。もしアジアトップでの予選突破が叶わなくとも、日本はかなり優位なポジションにあるのは間違いない。日本時間6月3日午前4時時点での最新世界ランキングをチェックすれば一目瞭然だ。

今ラウンドでパリ五輪出場権4枠を争うのは、以下の5か国に絞られたと言っていい。イタリア(世界ランキング4位)、日本(同6位)、中国(同7位)、オランダ(同9位)、そしてカナダ(同10位)。日本はこのうち上位4チームに入ればOKで、現時点でボーダーラインにいるオランダ、カナダとは40ポイント近くの差がある。残りが4試合である点を考えれば、なかなかのセーフティリードだ。

ただ、油断は禁物。最終週となる第3週は6月11日から再開し、日本は地元・福岡(北九州市)でラスト4試合を戦うが、対戦相手は韓国(同38位)、カナダ、セルビア(同8位)、アメリカ(同5位)と強豪・難敵が居並ぶ。

以下が暫定の最新世界ランキング・トップ12だ(★=パリ五輪出場決定国/カッコ内はネーションズリーグの消化試合数)。

【女子バレーボール・最新世界ランキング】
1位:トルコ★ 385.71ポイント(7)
2位:ブラジル★ 382.13ポイント(8)
3位:ポーランド★ 373.16ポイント(8)
4位:イタリア 358.51ポイント(8)
5位:アメリカ★ 349.76ポイント(7)
6位:日本 329.62ポイント(8)
7位:中国 327.57ポイント(8)
8位:セルビア★ 324.00ポイント(8)
9位:オランダ 290.95ポイント(8)
10位:カナダ 288.74ポイント(8)
11位:ドミニカ共和国★ 267.49ポイント(8)
12位:ドイツ 213.79ポイント(7)

構成●THE DIGEST編集部

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