山陰地方に伝わる地犬「山陰柴犬」の鑑賞会が2日、鳥取県湯梨浜町内であった。同町の動物愛好家が1947年、鳥取県東部の「因幡犬」と島根県西部の「石州犬」をかけ合わせて誕生させた犬。両県内外から約40匹が集まり、来場者に魅力を伝えた。
山陰柴犬は、おとなしく飼い主に忠実なのが特徴。地中をすみかにするアナグマの狩猟に活躍した因幡犬の血を引くためか、ネズミなどを見つけると攻撃的になる。現在、柴犬の99%を占める信州柴犬は各地の柴犬が交雑しており、山陰地方に独自に伝わる山陰柴犬は貴重だという。
会を主催した山陰柴犬育成会が2003年に結成後、鑑賞会を開いて新たな飼い主を見つけるなどし、現在は約530匹まで増えている。犬を誕生させた愛好家の孫で、育成会の尾﨑哲会長(66)=湯梨浜町宇野=は「山陰柴犬の存在を広め、数をさらに増やしたい」と話した。
会場では飼い主同士が交流を深め、犬の親子が再会する場面もあった。来場者は「すぐに寄ってきた」と人懐っこさを喜び、なでたり写真を撮ったりした。
平井伸治知事も訪れ「しばらしい(素晴らしい)」と、だじゃれを飛ばして盛り上げた。