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中央自動車道を甲府方面に向かって走行していると、大月市を通過する辺りで大きな岩山が見えるのをご存知だろうか。調べてみると、岩殿山(いわどのさん)という山で、登ることも可能なようだ。今回は山梨県大月市にある岩殿山の登山ルートを紹介する。
■大月市秀麗富嶽十二景・八番「岩殿山」
秀麗富嶽十二景(しゅうれいふがくじゅうにけい)の八番目に選定されている岩殿山は標高634mで、東京スカイツリーと同じ高さの山だ。なお、秀麗富嶽十二景とは、大月市内にある山で、富士山の展望がよい12の山頂のことだ。
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岩殿山へと繋がる登山道はいくつかあるが、2018年、2019年に立て続けに鎖場の一部が崩落したため、通行止めとなっているところもあり、現在は岩殿山に登れるのは「畑倉登山口」からのみとなっている。今回は畑倉登山口から岩殿山へ登り、稚児落とし(ちごおとし)を経由する周回コースで登山を行った。
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■畑倉登山口から岩殿山へ
大月駅からスタートすると、畑倉登山口までは舗装された道路が続く。マイカーでアクセスするなら岩殿山公園市営駐車場が利用できるほか、大月駅付近にコインパーキングも点在している。
大月駅からゆっくり歩いて50分ほど歩くと、畑倉登山口に到着。そこから登山開始となる。登山口には登山者カウンターが設置されているので、押してから登ろう。
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つづら折りの登山道を50分ほど歩けば、岩殿山の山頂に到着する。区間は短いがひたすら登りとなるので、ペース配分を意識しながら焦らず登ろう。山頂からは大月の街を見下ろすことができ、まるでジオラマのように見える。
岩殿山の山頂には、秀麗富嶽十二景と山梨百名山の標識とともに、富士山の展望が楽しめる。山頂スペースは広くはないが、ベンチもあるのでゆっくりできるだろう。
山頂で休憩するのもいいが、山頂から10分ほど歩いたところに富士山をよりよく眺められる東屋と展望台があり、そちらもおすすめだ。
■岩殿山から稚児落としへ、気の抜けない鎖場ありの区間
岩殿山で景色を満喫した後は「稚児落とし」へと向かう。岩殿山の山頂から稚児落としまでの所要時間は1時間45分ほどでアップダウンを繰り返す。途中、気の抜けない鎖場などもあるので慎重に進みたい。
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筆者が一番の難所と感じたほぼ垂直の鎖場。しっかりと鉄の杭が打ち込まれ、足の置き場などに困るようなことはなかったが、カメラなどはバックパックに入れ、両手をフリーにした状態で登った。迂回路もあるので、鎖場が苦手な人は迂回路を選ぼう。
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もともと登山道があったが崩落し、現在は通行止めになっている場所もあるが、標識が立っており、迂回路の案内もわかりやすいので、安心して歩くことができた。
■森の中から突如現れる巨大な岩壁「稚児落とし」
新緑で青々とした樹林帯を歩いていると、ふと開けたところで目を疑うような巨大な岩壁が姿を現す。正確な高さは不明だが、100mはありそうで、下はどこまで続くのか目視できなかった。
かつて16世紀ごろ、岩殿山の山頂には城が築かれており、織田軍の攻撃から逃れるために城から退避したときに稚児の鳴き声が追手に聞こえてしまい、この谷に落としたという悲しい言い伝えから「稚児落とし(ちごおとし)」と名付けられている。
稚児落としから大月駅までは1時間5分ほど。登山道を35分ほど下ったところで私道に合流し、そこからは舗装路を30分歩けば大月駅まで帰ってくることができる。
〈登山ルート〉
大月駅⇒(50分)⇒畑倉登山口⇒(50分)⇒岩殿山⇒(1時間45分)⇒稚児落とし⇒(1時間5分)⇒大月駅
■岩殿山からの富士山の景色を楽しみに登山にでかけよう
秀麗富嶽十二景は全部で12の山頂があり、どの山からも富士山の景色を楽しめる。季節が春から初夏へと移り、新緑が青々とした岩殿山の山歩きを楽しみに訪れてみてはいかがだろうか。標高は高くはないが、鎖場や岩場などもあり、登山装備が必要な山だ。トレッキングシューズの着用や、グローブなどは忘れずに携帯したい。