良品計画/今秋開業予定の木造店舗が「ZEB」認証を取得

良品計画は今秋開業する(仮称)「無印良品 唐津」(佐賀県唐津市)、(仮称)「無印良品 日田」(大分県日田市)の本体工事が完了し、併せて「ZEB」認証を取得した。

<木造店舗(仮称)無印良品 日田>

ZEBとは「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称。建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことを指す。4段階のZEBが定性的及び定量的に定義されており、「ZEB」は年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスとなる建築物となる。

今回は4段階ある定義のうち一番エネルギー消費が少ない「ZEB」となる。今回の認証は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)における性能評価の認証で、2物件は2024年1月10日に認証を取得した。

木造店舗は、グループ企業であるMUJI HOUSEが設計し、これまでの約3000棟以上の住宅の建築実績を活かし、無印良品の家でも採用している耐震性能に優れた木造ラーメン構造である「SE構法」により大規模木造店舗を実現するとともに、省エネ・創エネ技術を組み合わせることによって「ZEB」評価を取得した。

<木造店舗の特徴>

高性能断熱材を含む木造の屋根や外壁の使用や人感/CO2センサーで換気量や温度を最適に管理できる高効率な空調設備により、必要なエネルギーの総量を削減。同時に、太陽光発電と蓄電池を活用し、建物内で使用するエネルギーを創り出すことで、エネルギー消費量のネットゼロ化を実現した。

また、強度が高く品質の安定した構造用集成材を「SE金物」で剛接合することで、耐震性の高い空間を設計できる木造ラーメン構造であるSE構法を採用。柱、梁、最低限の耐力壁で強度を確保できるため、耐震性を保ったまま、開放的で自由度の高い空間を実現した。

さらに、高い耐震性を保持する空間と、エネルギーを創出できる大型木造建築物は、用途によって被災者支援の拠点としても活用が可能。無印良品の防災プロジェクト「いつものもしも。」で培った知見も生かし、災害時を想定した店舗設計を行うことで、あらゆる状況下で地域に役立つ店舗を目指す。

良品計画とMUJI HOUSEは2023年5月、農林水産省と「木材利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を締結するなど、建築物の木造化の推進に向けた様々な活動を行っている。2物件で合計723m3の木材を使用しており、外壁には地域材(佐賀県佐賀市・神崎市、大分県日田市)を活用した。

今後5年間で新たに建設予定の店舗等おいて、計1万m3を目安とした国産材の積極的に活用による大規模店舗の木造化およびZEB化に取り組むことで、低炭素で持続可能な社会の実現に貢献するという。

■物件概要
名称:(仮称)無印良品 唐津
建設地:佐賀県唐津市
用途:店舗
構造:木造平屋建て(SE構法)
延床面積:2430m2
設計施工:MUJI HOUSE

名称:(仮称)無印良品 日田
建設地:大分県日田市
用途:店舗
構造:木造平屋建て(SE構法)
延床面積:2,625m2
設計施工:MUJI HOUSE

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