「うちも早く返納してほしい」84歳男性が小一女児をはねてあふれる悲痛な声…池袋事故の受刑者が語った “重い言葉” とは

小学生がはねられた事故現場(写真・共同通信)

高齢者ドライバーによる痛ましい事故が、また起きてしまった。

6月4日午後2時40分ころ、埼玉県熊谷市で横断歩道を歩いて渡っていた小学1年生の女の子が、84歳の男性が運転する軽ワンボックス車にはねられる事故が発生した。女の子はすぐに救急搬送されたが、意識不明の重体。車を運転していた青木秀夫容疑者は、その場で過失運転傷害の疑いで逮捕された。

「事故現場は見通しのいい、片側1車線の道路です。女の子は複数の同級生と集団下校していて、学童クラブへ向かうため、押しボタン式の横断歩道を渡っていました。

複数の証言から、歩行者用の信号は青、自動車側が赤だったようです。何人かの児童は車が接近していたことがわかり『危ない』と声を掛け合ったのですが、女の子は回避できなかったということです」(事件担当記者)

容疑者は「ひとつ先の信号を見ていて、児童が渡っていた信号が赤だとわかったのは(衝突する)直前だった」と説明しているという。

TBSは、容疑者が今年3月下旬に免許を更新していたと報じている。免許更新の際の認知機能検査などは問題なかったが、容疑者の家族は「免許を返納したほうがいい」と言っていたという。

Xには、

《高齢者の自主性に任せるのは無理があります。やはり運転免許の年齢は上限を定めるべきかと》

《免許取り上げは簡単にできることだけど、運転しなきゃいけない状況変えないとなかなか厳しい》

《84歳の容疑者が父親に思えて、つらい…うちも早く返納してほしい》

などさまざまな意見が寄せられていた。

「2019年、東京・池袋で暴走した乗用車にひかれて妻と娘を失った松永拓也さんが、5月29日、車を運転していた飯塚幸三受刑者と面会。『高齢者やその家族に伝えたいことがあるか?』と聞くと、飯塚受刑者は『早く免許を返すように伝えてください』と答えたそうです。

報道陣の取材に応じた松永さんは『飯塚受刑者の言葉をヒントに、同じような加害者や被害者を生まないために、一人一人に何ができるかを考えてほしい』と語っていたのですが……」(同)

残念ながら、悲劇はまた繰り返されてしまった。今は女の子の回復を祈るばかりだ。

© 株式会社光文社