「大きな見返りを得られるだろう」 苦戦のブルージェイズに、消えない菊池雄星トレード説。現地メディアは同地区内での移籍の可能性も示唆

メジャーリーグは開幕からおよそ2か月が過ぎ、レギュラーシーズンの3分の1を消化した。すでにリーグ内での上位、下位が明確になってきており、夏場が期限となるトレードの話題も熱を帯びてきている。

その中で、トロント・ブルージェイズで3年目のシーズンを過ごしている菊池雄星の名前も、トレード要員候補としてすでに多くのメディアが取り上げている。契約最終年を迎えている菊池は開幕から好投を続けているものの、チームはア・リーグ東地区の最下位に低迷。早くもブルージェイズがトレード期限までに「売り手」となるとの声が上がっている。菊池はここ2登板で打ち込まれているものの、現在も放出の可能性が囁かれているひとりだ。

チーム専門サイト『Blue Jays Nation』では現地時間6月4日、「今シーズン、ブルージェイズは計画通りに進んでいない」とここまでの成績を評しており、「デッドラインでは『売る側』に立つかもしれない」と見通している。

同メディアは、「ブルージェイズからトレードする可能性がある選手は、ジョーダン・ロマノ、ダニエル・ボーゲルバック、トレバー・リチャーズ、イーミ・ガルシア、そしてユウセイ・キクチだ」と記し、その中でも日本人左腕に関しては、「今季66.1イニングを投げて、防御率3.66、FIP2.99という成績を残している。おそらく大きな見返りを得られるだろう」と綴っている。
また、米メディア『SPORTSNAUT』は、ブルージェイズと同地区で上位争いを演じているボルティモア・オリオールズが「買い手」として、夏に補強する選手を予想するトピックを配信した。

同メディアは、オリオールズが今季、先発投手に負傷者が相次いだことを踏まえ、菊池を候補に挙げている。「32歳のサウスポー、キクチは今シーズン力強いマウンドを披露している。6回以上を投げて自責点2以下に抑えた試合が6度もある」と評価。続けて、「さらに、このブルージェイズの先発投手は、明らかにア・リーグ東地区のチームに対する投球に非常に慣れている。キクチはボルティモアではおそらく先発の4番手として機能するだろう」と論じている。

もちろん、いずれも予想の範囲内での見解であり、今後、ブルージェイズが巻き返し、「買い手」となる可能性も残されている。シーズンが夏場を迎えるまで、日本人左腕をめぐる議論は続きそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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