富士市長が定例会見中に「中座します」…電話会談の相手は静岡県知事 選挙戦前には「あいさつが告示2日前」と苦言

6月5日に行われた静岡県富士市の市長定例会見中、小長井義正市長が中座する一幕がありました。そのワケとは。

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「10時35分に中座します」
5日の富士市長定例会見の冒頭、こう切り出した小長井市長。職員は「公務があるため」と説明しましたが、小長井市長によると「具体的には鈴木知事と電話で話をするため」だというのです。

5月26日に行われた静岡県知事選で当選した鈴木康友知事との電話会談を希望した小長井市長は、先週から静岡県の担当部局と時間調整をしていたものの、知事多忙のため、定例会見中のこの時間をピンポイントで指定されたということです。

小長井市長と鈴木知事、実は知事選を前に、この会談をめぐって、こんなやり取りがありました。

<富士市 小長井義正市長>
「(鈴木氏)東部に力を入れるのであれば、いち早く調整をしていただいて、富士市にも来ていただければという思いがありましたので、それが告示2日前ということであれば残念な思いがありました」

<鈴木康友氏(当時)>
「あいさつに訪れるのが遅かった。私の不徳の致すところ」

元浜松市長の鈴木知事は選挙戦を前に、浸透が課題の県東部や伊豆を入念に回っていたものの、「大票田」富士市には調整がつかず、あいさつが遅れたため、小長井市長が苦言を呈しました。さらに選挙戦では、小長井市長が対立候補の応援に回ったことから、その後の対応が注目されていました。

鈴木知事との約5分の電話会談を終え、報道陣から「どんな話をしたか」と聞かれた小長井市長は「就任についてのお祝いの言葉と『今後よろしくお願いします』と。『今後いろいろお会いしてお話ししたい』とお願いした」と答えました。

また、知事選をめぐる一件についてはー

<富士市 小長井義正市長>
「いろいろな部分もありましたから、その部分についてはお詫びをしなければならない部分があったかなと思いますので、お詫びをする言葉とともに今回の就任についてのお祝いの言葉も述べさせていただいた」

Qお詫びとは?
「選挙期間中の相手側の応援演説、弁士とした場合に比較をする中で、東・中・西のバランスのとれた県政をお願いできるのは、どちらなのかといった中で、比較をするような話をしたので、厳しい発言になったのかなという思いもあったものですから、それについてはお詫びをするべきであったかなと」

Qそれに対して知事は?
「特にそのことについてはなかったが、『丁寧に電話をしていただいてありがたい』と言っていただけた」

また、鈴木知事が選挙戦中に掲げた県東部・伊豆を担当する副知事構想については、「地域の課題について、担当の役を置いていただけるのはありがたい」と語りました。

果たして、雨降って地固まる、となるでしょうか。

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