「この空港が核となるように」開港15年を迎えた静岡空港 地元住民にとって欠かせない存在に

「空の玄関口」が節目の年です。静岡空港は6月4日、開港から丸15年を迎えました。かつては、建設反対派が大多数だったという地元は、大きく変化。いまは地元住民にとって、空港は欠かせない存在になっています。

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<島田支局 篠原大和記者>
「きょうで開港から15年目を迎えた静岡空港です。最初の定期便が、北海道の丘珠空港に向けて飛び立ちます。15年前にはなかった路線です」

茶どころ・牧之原台地の一角にある静岡空港。これまでの利用者は、約758万人にのぼります。新型コロナの影響で、客足が伸び悩む時期もありましたが、現在は国内線5路線、国際線2路線があり、7月には3路線が再開します。

静岡空港は、2009年6月4日に開港しました。しかし、開港までの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。いまから30年前、地元では空港建設に反対する大きな住民運動が起きていたのです。

<大石吉彦さん(当時47)>
「県に、果たしてこの空港が適格かどうなのか、考え直してもらいたい。『こうしてくれ、ああしてくれ』ではなくて、ゼロスタートでやってもらいたい」

当時、反対運動に参加した大石吉彦さんです。

<元坂部区長 大石吉彦さん>
「当時を考えると、生活は脅かされる、騒音もくるんじゃないかと、空港は『負の遺産』という感じをみなさん受けていた」

多くの地権者が、県との話し合いに合意する中で、大石さんも「反対」ではなく、「経緯を見守る」という姿勢になったといいます。開港後、地元から飛行機で何度も旅行に出かけて、今ではすっかり空港のファンになりました。

<元坂部区長 大石吉彦さん>
「空港ができて本当によかった。乗ってみると、この利便性は本当に素晴らしい。今はみなさんに『空港をどんどん利用したほうがいいよ』って」

6月1日、静岡空港で開かれた、開港15周年を祝うセレモニー。式典には、来賓として大石さんも出席しました。

<元坂部区長 大石吉彦さん>
「夢が膨らむ空港だと思います。静岡県もこの空港で発展するし、牧之原市・島田市・吉田町も含めて、空港が核となるように私は願っています」

コロナ禍を乗り越えて迎えた15周年。静岡空港は、これからも地元とともに歩み続けます。

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