【サウナ】体からこんなサインが出たら危険。水風呂はこうして入る。約80件の事故、死亡したケースも

近年、人気を集めているサウナ。「ととのう」という言葉もよく耳にしますよね。あなたの周囲にも「サウナー」がいるのではないでしょうか。

一方、消費者庁には、サウナ中の事故が約80件報告されています。水分補給の目安、水風呂に入る際の注意点、体温が上がりすぎているサインなど、実際に起きた事故の事例とともに紹介します。

サウナ中の事故、死亡も2人

消費者庁によると、「事故情報データバンク」にはこれまで、サウナに関する事故情報が78件、けが人が82人登録されています。

事故情報を年度別で見ると、2014〜21年度までは平均4件程度でしたが、22、23年度はそれぞれ10件となりました。

また、けが人82人のうち、半数以上の45人(54.9%)が「入浴施設」で事故に遭っており、続いて「宿泊施設」が15人(18.3%)、「スポーツ施設」が13人(15.9%)などでした。

けがの内容は、「やけど」が31人と最も多く、「切り傷・擦り傷」が24人、「骨折・打撲」が14人と上位を占めました。「循環器障害」や「一酸化炭素中毒」も3人ずついました。

また、けがの程度は、不明を除くと「1〜2週間」が18人と最多で、「1週間未満」が14人、「1カ月以上」が13人と続きました。「死亡」も2人いました。

けが人の年齢は、「40〜59歳」(28人)、「60〜79歳」(25人)の順で多く、合わせると全体の7割を占めます。

なお、40歳未満のけがの内容は「やけど」や「擦り傷・切り傷」がほとんどでしたが、40歳以上は「めまい・意識障害」「循環器障害」なども含まれていました。

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「サウナ中に心臓発作」「指5本を切断」

実際に起きた事故の内容は次のとおりです。

「サウナを利用中に『熱い』と思ったが、ヨガのポーズを10分間とり続け、臀部にやけどを負った」(20代女性)

「イスから立ち上がった際、壁面の裸電球に背中があたり、やけどを負った」(20代男性)

「サウナのロウリュで高温の蒸気が大量に出たため、右手の甲に全治1カ月のやけどを負った」(30代女性)

「座った状態で意識を失った。マット交換で訪れたスタッフが異変に気づき、救急搬送された。重度のやけどを負っていた右足の指5本を切断し、皮膚移植のため2回手術した」(70代男性)

「床の段差で足を滑らせ転倒し、右ひじを打撲した」(40代女性)

「サウナから出た後に頭がクラクラし、顔面から転倒して前歯が抜け落ちた」(10代男性)

「サウナを利用中に心臓発作を起こして3日間入院した」(50代女性)

体温が上がりすぎているサインは?

消費者庁は、無理なサウナ浴は控えたり、金属類・コンタクト・メガネは外して入ったりすることを呼びかけています。

コンタクトレンズメーカーの「メニコン」も、サウナでのコンタクト装用について、「レンズが乾燥してずれたり、はずれやすくなったりする可能性があるため、できればはずした方が安心です」と説明していました。

また、ロウリュに大量の水をかけてしまうと、蒸気が大量に出てやけどをする恐れもあります。

脱衣後すぐサウナに入ったり、サウナから出てすぐ水風呂に入ったりすると、ヒートショックのような状態を起こす可能性があり、大変危険です。

さらに、同庁は東京都市大学人間科学部・早坂信哉教授(医師・温泉療法専門医)の話も公開しています。

早坂教授によると、脱水症状になることを防ぐため、サウナ前にコップ1〜2杯の水を飲むことが重要です。ロッカーの鍵バンドも、金属部分が肌に触れないようにしなければなりません。

また、熱さに体を慣れさせるため、サウナ前にシャワーを浴びることや、室内では熱くなりやすい上段ではなく下段から座り始めることが推奨されます。

汗をかいたら体温が0.5〜1.0度ほど上昇していると考えられており、我慢をし続けると熱中症になります。動悸を感じたら体温が上がりすぎているサインです。

水風呂も入り方によっては危険が伴い、脳卒中や心筋梗塞、狭心症を発症する恐れがあります。

いきなり水風呂に入らず、ぬるいお湯で汗を流し、手足に水をかけるなどして徐々に水風呂の温度に体を慣らすようにしましょう。

サウナに10分間入ると500ミリリットルの汗が出たという報告もあるそうです。人間は体重の1〜2%の水分を失うと脱水症になり、嘔吐や微熱を引き起こすため、できれば入浴中も水分補給することが望ましいとのこと。

最後に、サウナ入浴後に体重が減っていることがありますが、これは脱水による一時的な体重減少で、痩せたわけではありません。しっかり水分補給することが重要です。

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