オールさこんやま 地域福祉の向上担い10年 式典で節目を祝う 横浜市旭区・横浜市瀬谷区

林理事長(中央左)に感謝状が贈られた

旭区左近山で子どもから高齢者まで全世代の福祉向上や交流を推進している「NPO法人オールさこんやま」(林重克理事長)の10周年記念式典と祝賀会が5月6日に開催された。会場となった左近山団地の福祉交流拠点「ほっとさこんやま」には関係者や来賓が多く集い、節目を盛大に祝った。

住民一丸となって

同法人は2013年に設立。「オールさこんやま」という名称の通り、連合自治会と各自治会、地区社会福祉協議会、老人クラブ、民生委員・児童委員、団地管理組合、商店会、医療機関など様々な団体で構成されている。大きな活動テーマは高齢者と子どもの支援、地域コミュニティ。これらは法人設立前に行った住民向けワークショップのなかで挙がったという課題で、林理事長は「住民が一体となって立ち上がったNPO。地域のニーズを把握することが、良い取り組みにつながると考えた」と設立当時を振り返る。

交流拠点を運営

発足翌年の14年4月に商店会の空き店舗を活用して開設したのが、ほっとさこんやまだ。1階はコミュニティカフェで、ボランティアスタッフが提供する自家焙煎コーヒーや手作りの料理を楽しめる。「メニューに工夫を凝らしている」と林理事長。名物という「お刺身定食」は、注文を受けてから商店会にある魚屋の刺身を仕入れるなど鮮度にこだわっている。

この10年間では小・中学生の学習支援「さくら教室」や子どもの居場所「日曜ほっと」、団地に居住しながら地域活動に打ち込む横浜国立大学生の支援なども展開。高齢者についても、地域を巡回する乗合自動車「おでかけワゴン」、脳トレや健康体操を楽しみながら介護予防につなげる「おしゃべりほっと」に取り組む。

集える場所、これからも

式典と祝賀会には同法人と接点のあった歴代旭区長、独立行政法人都市再生機構や近隣学校の関係者、地元選出議員など多くの来賓が来場。サプライズ企画として林理事長に対する感謝状の贈呈もあり、会場から大きな拍手が送られた。また、おしゃべりほっとのオリジナルソング「ここで会いましょう」などが披露された。

式典と祝賀会を終えた林理事長は、「スタッフみんなが10年間頑張ってきたから今がある。感謝状も全員に贈られたものだと思っている」と改めて周囲への感謝の気持ちを抱く。今後の目標については「これから先もずっと、地域の人たちが気軽に集える場所を提供していきたい」と意気込むとともに、「そのために、次世代の参加をより促していければ」と更なる発展に意欲を見せた。

オリジナルソングで会場を盛り上げる

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