高校陸上県総体 保土ケ谷区内勢が力示す 12種目で関東大会出場権 横浜市保土ケ谷区

200mを制した榎さん(右上)・800mで県王者となった末吉さん(左上)・5000m競歩で盤石の強さを見せた及川さん(右)

関東高等学校陸上競技大会への予選を兼ねた神奈川県高等学校総合体育大会がこのほど開かれ、県立保土ケ谷高校陸上部と私立横浜清風高校が好成績を上げた。保土ケ谷高校は8種目・清風高校は7種目で関東大会出場権を獲得。6月14日から17日まで東京都内で開催される大会へ向けてトレーニングを重ねている。

盟友の思い胸にエースが疾走

昨年度はリレー競技でインターハイ決勝に駒を進めるなど、近年、全国レベルでの活躍を続ける保土ケ谷高校。60人を超える大所帯となったチームをエースとしてけん引するのが榎陸斗さん(3年)だ。全国トップレベルの持ちタイムで臨んだ今大会は100mで2位、200mで優勝した。

昨年のインターハイでもアンカーとして決勝レースに出場。この時、同学年の熊谷星音さんも1走として出場していたが、今シーズン「盟友」はインターハイで負った怪我が癒えずサポート役に徹している。

今大会は4×400mRでも3位に入り関東大会への出場を決めた。「インターハイで熊谷の力が必要になる時が来る。『準備をしておいてくれ』と話している」

芽生えた自信

男子800mでは末吉琉衣さん(3年)がゴール前の争いを制した。冬場のトレーニングの成果が表れ「自信を持って臨んだ」大会。落ち着いてレースを展開した。関東でも「心の強さ」を武器にインターハイ出場権を目指す。

盤石の強さ

昨夏のインターハイで2位に入るなど、同校の「お家芸」となりつつある競歩にも新星が現れた。男子5000m競歩に出場した及川集雅さん(2年)が2位に1分以上の差をつけゴール。圧勝にも「タイム的にはもう少し行けたかな」と話す。見据えるのはインターハイでの入賞だ。

投てきでも3人

投てき種目でも関東大会出場権を3人が獲得。男子円盤投で山田陸翔さん(3年)、西澤大海さん(同)、小島平さん(2年)が入賞した。西澤さんと小島さんは砲丸投でも関東大会に挑む。

女子選手も活躍

これまで男子選手の活躍が目立っていた同校だが、今大会は女子選手も活躍。女子5000m競歩に出場した佐川深愛さん(2年)が4位に入り関東大会への挑戦権を手にした。

「チーム清風」で勝利を

昨年度は2選手がインターハイに出場した横浜清風高校。今年は10人が7種目で関東大会の切符を手にした。

同部OBで顧問の清水海周教諭は「約50人の部員がお互いにライバルでありながら応援し合える仲間でもある」と話す。大会に出場しない部員も基本的に全員が同行。応援などの裏方に回って仲間を鼓舞する。個人種目が多い陸上競技だが、「チーム清風」として戦う姿勢が強さの秘訣だ。

2種目で優勝

県総体は男子棒高跳で加藤佑弥さん(2年)、男子円盤投で成田卓登さん(3年)が優勝した。加藤さんは「競技の待ち時間が長く、体を冷やさないようにこまめにアップした」と振り返り、自己ベストに並ぶ4m80を記録した。成田さんは円盤投で45m20を記録。「円盤投の1週間前に行われた砲丸投は2位だった。何としても優勝したかった」と振り返り、悔しさを力に変えられたという。2人とも高校では初めての優勝で、喜びをかみしめた。

そのほかの男子は、棒高跳びで松本遥生さん(3年)が4位、赤澤啓太さん(同)が5位、石山優陽さん(2年)が走高跳で3位だった。松本さんは「県総体の悔しさをばねにしたい」、赤澤さんは「安定して好記録を出したい」とそれぞれが関東大会での巻き返しを誓う。石山さんは、走高跳で1m90を記録し、自己ベストを更新。「関東大会でも自己ベストを更新したい」と意気込みを語る。

仲間の声援力に

女子は、佐々木暖和さん(2年)が400mで2位、鶴田瑛梨奈さん(同)が棒高跳で3位だった。昨年は同種目で優勝し、インターハイにも出場した鶴田さんは、自己ベストよりも31cm低い、3m30という悔しい結果に。「待ち時間に体が冷え、思うように足が動かなかった」と敗因を述べ、「関東大会で雪辱を晴らしたい」と語る。

佐々木さんは、岡本未洋さん(3年)、佐藤絹枝さん(同)、城戸杏那さん(同)と共に、4×400mリレーにも出場してアンカーを担当。「仲間の声援が心強かった。バトンを受け取った時は、前の走者に10mほど離されていたが、十分逆転できる距離だと思った」と諦めない走りを見せ、チームの順位を6位に押し上げた。

互いを高め合う横浜清風の選手たち
砲丸投げで力投を見せる成田さん(同校提供)

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