結局、保身優先なのか…衆院通過した政治資金規正法改正案は「実現性に疑問」「裏金事件の反省ない」 鹿児島県民からは疑問や憤り相次ぐ

 結局は保身優先で、変える気がないのでは-。自民党の裏金事件を受けた政治資金規正法改正案が衆院を通過し、今国会で成立の見通しとなった6日、鹿児島県民からは政治資金の透明化の実現性を疑問視する厳しい意見が相次いだ。改革の前進を望む声もあった。

 鹿屋市の主婦(43)は「改正案が通過しても、裏金問題は不透明なまま」と、最後まで明確な説明がなかった自民党の姿勢に不信感を抱く。政策活動費の領収書公開が10年後となっている点などについて「逃げ道を残しているように感じる」と話す。

 鹿児島市の30代男性は、「そもそも、選挙で裏金が必要なことがおかしい」。パーティー券購入者名の公開基準額は「5万円超」に引き下げられる予定だが、「額の問題だろうか」と疑問を呈した。

 「裏金事件の反省は感じられない。さらに政治不信が募るのでは」と、分析するのはいちき串木野市の無職男性(76)だ。詳細は検討事項となった第三者機関の設置について「早く設け、外部の目を入れるべきだ」と要望する。

 変わらぬままの政治家と国民との感覚のかい離を問題視する声もある。ホテルを経営する霧島市の女性(70)は「裏金問題で政治家の特権意識が露呈した。国民は1円からチェックされるのに、何をやっても許されるとおごっている」と憤る。

 鹿児島市で飲食店を営む男性(45)は「改正案はもやもやが残る内容で、国民がうるさいから渋々やったとの印象。昔ながらの体質はなかなか変えられないのだろう」とみる。一方で「少しは前進してほしい」と今後に期待し、「次の選挙では国民の判断も試されてくるのでは」と指摘した。

© 株式会社南日本新聞社