花菖蒲の絶景! 東京23区の4名所「堀切菖蒲園」「水元公園」「小岩菖蒲園」「しょうぶ沼公園」で江戸の風流を感じる

梅雨に映える花菖蒲が、東京で見頃を迎える(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

いよいよ今年も梅雨入りの雰囲気が漂ってきた。梅雨を彩る粋で雅な花といえばハナショウブ。江戸時代から多くの品種が生み出され、幕府旗本の松平定朝は自らを「菖翁」と称し、生涯にわたり300種ほどのハナショウブを作り出した。

江戸、伊勢、肥後、長井などに系統は分類され、品種もさまざまに色、形、模様など、それぞれに個性豊かに咲きほこるハナショウブが時を経て、今、東京では見頃を迎えている。

■江戸から続く花菖蒲文化を感じる「堀切菖蒲園」

東京でハナショウブを鑑賞するなら「堀切菖蒲園」は欠かせない。江戸の頃からハナショウブの栽培が盛んであったこの地域では、いくつかの花菖蒲園が存在していたが、第二次大戦下では水田化され、戦後唯一復興を果たしたのが、現在の堀切菖蒲園。

「菖翁花」と呼ばれる菖翁が作り出した品種のほか、約200種、6,000株が庭園に咲きほこり、江戸の風情を今もなお、感じることができる。

■都内最大級の花菖蒲園が広がる「水元公園」

堀切菖蒲園と同じく葛飾区の「水元公園」。15もある圃場では約100種、14,000株と都内最大規模でハナショウブが咲く。木道が整備された圃場もあるので、広い園内を散策するようにハナショウブを楽しむことができる。

堀切菖蒲園と水元公園では現在「2024葛飾菖蒲まつり」が6/16(日)まで開催されている。期間中の土曜、日曜は両園と柴又帝釈天などをめぐる「かつしか菖蒲めぐりバス」が運行されており、お得で効率的に2つの花菖蒲園を鑑賞することができる。

■河川敷に広がる回遊式庭園「小岩菖蒲園」

江戸川の河川敷、京成線の車内からも見渡すことができるのが江戸川区の「小岩菖蒲園」。河川敷ということもあり、広々とした園内には約100種、50,000本のハナショウブが咲く。

小岩菖蒲園には圃場との間に柵なども設置されていないので、広々とした空間と合わせて開放的な雰囲気に包まれる。

また、江戸川を渡る京成線の線路も近く、鉄橋を渡る電車と満開のハナショウブというコラボで鉄分豊富な菖蒲園となっている。

■名所ながらも穴場的存在「しょうぶ沼公園」

足立区にあるハナショウブの名所が「しょうぶ沼公園」。元々、野生のノハナショウブが咲く地に公園を整備するにあたり、旧地名の菖蒲沼耕地にちなみ「しょうぶ沼公園」と名付けられた。ややコンパクトに感じるが、多彩な品種で約140種のハナショウブが栽培されている。圃場内には木道も整備されているので、間近でゆっくりと落ち着いた雰囲気で鑑賞することができる(※木道の開放は6/23まで)。

系統、品種ともに多彩なハナショウブ。色、形、模様などひとつとして同じものはなく、どれだけ見ていても飽きることはない。1か所でじっくりと鑑賞するのもよし。数か所をめぐるのもよし。江戸の風流をハナショウブ鑑賞しながら感じてみてはいかがでしょうか。

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