東北芸術工科大プロダクトデザイン学科の家具専攻の学生9人による「曲げ木いす」展が、山形市の同大で開かれている。曲線の美と座り心地を追求した力作が並んでいる。
曲げ木は木材を蒸して柔らかくし、金型にはめて曲げる技法。曲げるのに大きな力が要り、窯から出すと数分で堅くなるため、学生は数人がかりで素早く作業した。木材のゆがみに対しては、削ったり継ぎ足したりして修正した。
苦心の末に「理想のいす」ができた。頬づえの際に腕がずれないよう肘置き部分をくぼませたり、足を取り外して座いすにできたりと意匠を凝らしたほか、曲げ木特有の途切れない木目や色合いを強調した。座って楽しむことができ、4年田巻凱誠(かいせい)さん(22)は「手作りの温かみを感じてほしい」と話した。
展示は正午から午後6時までで、最終日の8日は同5時まで。