地域FM局の従業員8人中5人が退職、複数がパワハラ訴え 自主番組減らし放送は継続 FMさつませんだい

放送事業部の方針などが示された薩摩川内市観光物産協会の株主総会=6日、同市の川内商工会議所

 鹿児島県薩摩川内市のコミュニティー放送局「FMさつませんだい」で、従業員8人(4月時点)のうち5人が6月末までに退職することが6日、分かった。運営する市観光物産協会が同日の株主総会で明らかにした。協会は新たな従業員を集め、7月以降も放送を継続する方針。

 総会で井龍大社長(42)は、退職の主な理由を「業務の考え方に対する相違と人間関係」と説明。複数がパワハラを理由に挙げており、聞き取り調査を進めているとした。一方、退職する1人は取材に「放送事業に対する評価の低さなど会社側の姿勢に疑問を持った」と話した。

 放送継続へ、協会は外部パーソナリティーへも協力を依頼している。7月からは自主制作番組を減らす見通しだが、配信番組などで対応する。川内川の水害など災害時の情報発信も念頭に置き、体制を整える。

 協会は市や川内商工会議所など9者が出資し、特産品販売や観光旅行も手がける。総会では市から新たに取締役1人を選任することも決めた。井龍社長は「ご迷惑をおかけしおわびしたい。再発防止に努め、安定した放送を続けていきたい」と話した。

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