橘公園・事務所、リニューアル 民間の力で、つながる場へ 川崎市高津区

橘公園にある旧西部公園事務所が地域交流の場としてリニューアルオープンし、6月1日に記念式典が行われた。整備を手掛け、今後も管理運営を行う「ピークスタジオ一級建築士事務所」は、「新しい公園として、地域の皆さんと育てていきたい」としている。

今回整備された公園敷地内にある新事務所の名称は、「たちばなハット」(ハットは小屋の意味)。昨冬に地域住民らによる投票が行われ、名付けられた。1階にレンタルスペース、会議室、シェアキッチン、トイレや授乳室を完備。2階はコワーキングスペースとなっており、同社事務所も入る。このほか、公園内にはカフェスタンドやシェアサイクルの貸出・返却場も設置された。屋外トイレは和式から洋式へと変更。プランターも設置し、コミュニティファームとして、種まきやコンポスト講座などのワークショップを行っていく予定という。

有効活用求む声、受け

旧西部公園事務所はもともと、高津区・宮前区を所管する公園管理事務所として使用されていたが、2010年に道路公園センターの再編整備によりその機能を終え、会議室などの貸しスペースとして利用されていた。しかし、利用率が低かったことから、地域から有効活用を求める声が上がっていたという。

3年前には、樹木がうっそうと茂っていた敷地を広場として整備。その後、事務所の有効活用や公園の魅力向上のため、川崎市は民間事業者を公募して、事業者が設置する施設から生じる収益を公園整備に還元して活性化させていく仕組み「公募設置管理制度(Park―PFI)」を導入。地域住民のニーズ把握のための社会実験も経て、事業者にピークスタジオを選定し、同社が約1年をかけて作業、整備を進めてきた。

「地域と作る公園」

1日の記念式典では、ピークスタジオの藤木俊大共同代表が「地域の皆さんとこの場所を作り上げていき、未来の子どもたちに橘公園の新しい文化を届けていければ」とあいさつ。

福田紀彦市長も出席し「議論していく中、民間の力を借りながらもっと愛される公園にしていこうということになった」と当時を回顧。その上で「思いを寄せていただいた全ての方に感謝。多世代がつながる公園になってほしい」と語った。

レンタルスペースの利用はWEB上から予約が必要。シェアキッチンは販売を行うかにより利用法が異なるため、詳細は同社へ。そのほか利用法等、上記二次元コードよりHP(ホームページ)で確認を。カフェスタンドは17日にプレオープン(19日・20日は休み)、21日にグランドオープン予定。

1日の式典で行われたテープカット
式典後に行われた内覧会
「たちばなハット」ホームページ

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