160日目の再開、笑顔 門前マルシェ 總持寺通り商店街復興へ一歩

6カ月ぶりに開催された門前マルシェで弁当などを味わう来場者=8日午前10時50分、輪島市門前町

  ●8店舗出店 

 能登半島地震で甚大な被害を受けた輪島市門前町の總持寺通り商店街で8日、「門前マルシェ」(北國新聞社後援)が6カ月ぶりに再開した。禅の里交流館敷地内や各店の軒先では商品や軽食が並び、住民やボランティアらに笑顔が広がった。元日の地震発生から160日目で、休館していた能登町の石川県柳田星の観察館「満天星」も再開し、奥能登で日常が少しずつ戻り始めた。

 門前マルシェは2021年11月、総持寺通り協同組合がにぎわいにつなげようと月に1度、第2土曜に開催してきた。

 組合によると、元日の地震で加盟34店舗のうち約6割が全壊・半壊し、営業を再開しているのは6店舗にとどまる。解体工事が進む商店街に少しでも活気を取り戻そうと、組合スタッフの宮下杏里さん(33)がマルシェ再開を商店主に提案し、開催が決まった。

  ●「救出」まな板並ぶ

 「復活」初日のマルシェには市内外の8店舗が出店した。門前そばやそば粉ガレット、みたらし団子などが販売され、がれきの中から「救出」された能登ヒバ(アテ)のまな板なども並んだ。

 輪島市杉平町の岡山香織さん(36)はかき氷を頬張る長女(8)と次女(5)を見ながら「子どもが楽しめる場所がないので、こんなイベントはいいと思う。また来たい」と笑顔を見せた。組合の能村武文代表理事(66)は「商店街の盛り上げに向けた最初の一歩。マルシェを継続して開催し、商店街をにぎやかにしたい」と期待を込めた。

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