【食事提供が復活します!】2024年シーズン「南アルプス・光岳小屋の営業情報」解禁。ご主人による詳細解説

今年の営業情報決まりました。写真は昨年、たくさんの野菜を背負ってきていただいたドラえもん姉さんと(撮影:小宮山花)

2024年シーズンは、試験的に「絶対に行きますけん(券)」の販売をしました。

5月1、2、3日限定で70歳以上の方、初年度に事前宿泊券を購入して応援してくださった方を対象に、先行予約抽選を行いました。長期縦走の方も対象にしたい、公共交通機関で遠くから来る方も助かるよね、と門戸を広げる願望はあったのだけれど、収拾がつかなくなっても困ってしまう…… と弱気になっちゃった。

なので、今回は条件付きでの先行抽選でした。山小屋で会った高齢の登山者の方々からは、「年齢や体力的に、今年来なかったら来年は無理だったかもしれない」という声をたくさんいただきました。年配の方々には、体力があるうちに一日でも早く光岳にきてほしい! ということと、二重予約を防ぎ、皆様に宿泊の機会を均等にしたい、という狙いがあっての試みです。

「今年こそ!」と光岳小屋に来てくれた静岡大学山岳部OBの皆さん。看板を取り替えました!

「絶対に行く!」という人たちには、こちらもその気持ちに応えたいのです。いただいたメールの文面から、皆さんの「絶対に行くんだから!」いう気概を感じます。「来たる日まで訓練を続けます!」と強い意志のある言葉を送っていただく方もおり、パワーをもらっています。

■お待ちどうさまです。2024年シーズンの光岳小屋営業情報が更新されました!

静岡県からGOサインをいただき、ご報告させていただきます。光岳小屋と同じく、静岡県営の南アルプス南部にある山小屋情報は全て公になりました! 今年もついに始まりますね〜。

光岳小屋の営業期間は、7月10日〜9月23日の宿泊までとなります。今シーズンは小屋の修繕工事(9月24日〜10月20日)があるので、営業期間が例年よりも短くなります。また、工事期間中は宿泊棟、テントサイト(資材置き場になるよ)も使用できませんので、ご注意ください。

宿泊定員は25人、全日予約制は継続です。今シーズンは、「素泊まりベッド&マットレスプラン」(定員18人)と、新たに「山の上のイワシプラン」を作りました! 俺たちはイワシじゃないんだぞ! と嘆いたおじさんからいただいたこのネーミング。イワシのように横になって休んでもらいます。イワシの缶詰よりは広いです。

古き良き山小屋スタイル、銀マットで雑魚寝、とにかく泊まりたい方へ向けたプランです。通常の食事提供はなく、売店でカレーメシやインスタントラーメンの販売はあり、となります。時代に逆行していそうなこのプランですが、予約がとりにくい、仕方なく日帰りで来た、昔の南アルプスの方が良かった〜というお声を受けて、「試しにやってみるか」と生まれました。

安全登山を支える役割を担わなければならないので「山小屋での時間もゆっくり過ごしてほしい」「しっかり休んで明日も元気に歩いてほしい」という、私が山小屋を始めた本来の目的からはブレずにやっていきたい。

ちょっと心配ですが、まずはやってみよう、というわけです。

■今年は食事も作りますよ〜

今シーズンは食事付きで対応する予定です。昨年は林道崩壊の影響で素泊まりベースの営業に急遽変更したのですが、今年はすでにお米もたくさん注文して、気合いが入っております。

とはいえ、シーズン中も含めて、これからくる台風次第で状況がどう変わるかなんてわかりません。どうなっても対応できるよう、できるだけロスを出さない食事内容を計画中です。

宿泊する方々には、やっぱり登山の緊張が解けるような、ほっとできる食事を提供したい。夕食と朝弁当を用意する予定です。今シーズンは「優しい和食」をテーマにしてます。

夕食は、日光のおいしいお漬物をつけようかな〜とか、朝弁当はちらし寿司っぽいものにしようかな〜。でも、ゴミになるような資材はあんまり使いたくないし、などと食いしん坊のスタッフ高橋くんとああでもない、こうでもないと試作を繰り返しています。

■テントサイトは学割あります

7月10日〜9月23日までの使用です。その後の工事期間も資材置き場となるため使用できません。初年度からひっそりとやっていましたが、学割あります。600円/1人(学生証の提示をお願いします)。学生の夏を応援したい。

また、新たに70代応援割引も600円/1人です。こちらは、70歳以上の方へ向けての応援企画。私も歳を重ねますが、山で会う歳の大きい人たちのパワーには圧倒されます。私の目指すところ。昔を思い出して、今年は光岳でテント泊などいかがでしょう?

設営数の上限は20張。平日に予約を分散させたいため、金土日、ハイシーズン指定日は予約制で+1,000円としました。「テントは自由だからいい!」というスタンスを崩したくないけど、初年度の3連休などは45張もあってキツキツだった思い出あり。トイレの処理能力やテントサイトの混雑具合が、えらいこっちゃとなりました。

ちなみに雷、夕立の多い山域です。テントの方も、小屋泊の方も山小屋には15時までに着くような計画がおすすめです。朝は暗くても明るくなりますが、午後は暗くなるばかりです。

今シーズンも安全第一で!

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