「キャンプブーム」終了かどうか「キャンプ場の人」に聞いてみた「現地レポ」

キャンプブームは本当に去ってしまったのだろうか(撮影:くぼあき)

「キャンプブームの終焉」 という言葉を最近よく耳にする。では、実際どうなのか。本当にキャンプ場は賑わっていないのか。今回は、北海道千歳市にある「モラップキャンプ場(支笏湖洞爺国立公園内) 」 で実際の声を拾ってみた。

■大人気の湖畔キャンプ場「モラップキャンプ場」

2024年4月にリニューアルしたモラップキャンプ場

モラップキャンプ場は札幌から車で1時間程度の場所にある、日本最北の不凍湖として有名な支笏湖のほとりにある人気のキャンプ場だ。

筆者が訪れたのは、2024年4月末のシーズンオープン2日目の土曜日。場内の大規模な改装が終わったこともあり、道路が整備され看板も新しく作られていた。

この日の気温は22℃。まるで初夏のような記録的な暖かさで、キャンプを楽しむにはよい日和だった。

フリーサイト利用のため、少しでも早く到着したい筆者はアーリーチェックインの受付開始時間の午前11時を少し過ぎたくらいにキャンプ場に到着。すると、すでに多くのテントが張られているではないか! どうやら前日からの連泊組のようだ。焼肉やジンギスカンのいい香りや煙が受付にまで漂っている。

場内を歩いてみると、家族連れや友人たちとのグループキャンプが多く見られ、ソロキャンパーは少ない印象だ。

■全国からキャンパーが集まるほどの人気

ひと通り散策し受付に戻ると、チェックインのための列ができていた。

駐車場は当然満車だ。ナンバープレートには、支笏湖周辺の札幌、室蘭、苫小牧以外にも北見や旭川、函館など、全道各地の地名が見られた。さらに岩手や足立、諏訪など道外ナンバーも。

「天気もいいし、リニューアルオープン直後ですごい賑わいだ。いったい何組の方々が訪れているんだろう?」 と疑問に思い、人が空くのを待って受付の方に直接話を伺った。

■キャンプ場の方に話を聞いてみた

案内図の真ん中に位置する受付で話を伺った

この日の利用客数についてたずねたところ、150組の予約が入っているそうだ。モラップキャンプ場のキャパシティは150張なので、満員だったということだ。これは例年よりも多いそうで、長蛇の列も駐車場もサイトの混み具合も納得だ。

また、利用客の特徴は、2回目以降のいわゆる「リピーター」 が8割弱で、新規は2割程度ではないか、とのこと。この割合は例年と変わらないそうだ。

●施設名 モラップキャンプ場

住所 〒066-0283 北海道千歳市モラップ
電話 0123-25-2201

■キャンプ場に隣接する売店にも聞いてみた

モラップキャンプ場に隣接する売店「Cafe Lunch Store Hoo-Hoo!」にも話を伺った。

薪や炭、食材の購入はもちろん、支笏湖名物の「チップ(ヒメマス)」を使った唐揚げなども楽しめる「Cafe Lunch Store Hoo-Hoo!」

昨年と比べ、人はたしかに多いが、「人の流れ」にも特徴があるようだ。今年はインバウンドの利用が多く、キャンプ以外の支笏湖観光で訪れる人が増えているとのこと。人数的には全体の4割程度で、「モラップキャンプ場が新千歳空港とニセコの途中にあることも影響しているのではないか」と話してくれた。

■キャンプ場利用者にも聞いてみた

「キャンプ場への到着が遅くなると、テントを張る場所を探すのも一苦労だね」と、キャンプ場利用者の一人はそう言って笑っていた。テントが混み合って、足元のガイロープに注意しないと転んでしまうほどに密集したフリーサイト。特に幼い子どもは走り回るため、筆者のテントの周りでも何回かガイロープに引っかかり転んでいた。

ガイロープが密集する筆者テント界隈

■キャンプブームは、決して終わっていなかった

予想以上に混んでいたモラップキャンプ場。筆者は前年のこの時期にも1泊しているのだが、明らかに今年の方が宿泊者が多い。昨年は受付に長蛇の列はなかったし、駐車場の車も多くはなく、何よりも隣のテントとの間も密集していなかったのをよく覚えている。

今年は天候に恵まれたこともあったが、みなさんワイワイ楽しそうに過ごしていたのが印象的だった。まだまだキャンプブームは継続中。そんな思いにさせてくれる1泊2日のキャンプとなった。

●施設名 Cafe Lunch Store Hoo-Hoo!

住所 〒066-0283 北海道千歳市モラップ番外地
電話 090-5073-7244

※この記事の情報は2024年5月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。

© 株式会社双葉社