石川祐希、高橋藍らが先発復帰の日本が今大会6戦6勝スロベニアを撃破!! 西田有志がチーム最多26得点の大活躍で福岡ラウンド有終の美【ネーションズリーグ】

地元開催を有終の美で飾った。

6月8日、男子バレーボールの「ネーションズリーグ(VNL)」予選ラウンド第2週の最終戦が北九州市の西日本総合展示場で行なわれ、すでにパリ切符を獲得している日本代表(世界ランク5位)は、今大会6戦全勝と勢いに乗るスロベニア代表(同6位)と激突。セットカウント3-1(25-23、19-25、26-24、25-21)で勝ち切り、福岡ラウンドを3勝(1敗)。大会通算6勝2敗で、世界ランクひとつ下に迫る難敵に価値ある1勝を掴んだ。

前日のポーランド戦は主力を温存し、ストレートで完敗を喫した日本。パリ五輪の前哨戦と位置付けるフィリップ・ブラン監督は「特に重要な試合」と警戒するスロベニア相手にベストメンバーを起用。セッターは、下腿に痛みがあるとして大事をとっていた関田誠大が復帰。石川祐希、高橋藍(ともにアウトサイドヒッター)、西田有志(オポジット)、小野寺太志、山内晶大(ともにミドルブロッカー)らがスタメンに名を連ね、リベロは山本智大。福岡ラウンドの最終戦で勝負に出た。

第1セットはレフトから石川のスパイク、山内の速攻、西田の速く強烈なサービスエースが2本炸裂するなど、一歩も引かず互角の展開に。中盤で相手に3点差をつけられたが、高橋のサービスエースで19-19の同点。その直後、日本は高橋がコート外に体を目一杯飛び込むほど、必死にボールをつなぎ石川がレフトから強打。一度は相手に返されるも、粘りのレシーブで今度はライトから西田が鬼神の表情で相手コートに叩き付けて勝ち越し。日本が全員バレーで1点をもぎ取ると、最後まで押し切り先取した。

第2セットはスロベニアが常に先手を奪う。流れは変わらず、終盤には相手のサービスエースが2本連続で決まるなど、日本はスロベニアのサーブ攻撃に苦戦。7点差以上突き放され、最後は相手の強打に屈した。
勝敗のポイントとなる第3セットは、日本がペースを握る。石川のスパイクが勢いを増し、第2セット途中から絶好調の西田がスロベニアのブロックを次々とぶち抜く強打で二桁得点に達する荒稼ぎ。だがスロベニアも点差を縮めさせず、3連続得点で先にセットポイントを握られ追い詰められる。しかし、キャプテン石川がここぞで一本決めてデュースに持ち込むと、レシーブでつなぎ最後は高橋が際どいネットの攻防を押し切り逆転勝ち。日本が驚異的な粘り強さで、このセットを奪取した

王手をかけた第4セットも、日本は左の大砲・西田の勢いが止まらず。チーム最多26得点を挙げ、相手の高い壁を打ち破る。世界ランク維持のためにも負けられないスロベニアも点差は離されず、強打で必死に食らい付くが、日本は持ち味の粘りで着実に得点を重ねてマッチポイント。最後は殊勲の活躍を見せた西田のスパイクがスロベニア・コートに叩き付けて試合終了。福岡ラウンド3勝目を飾り、笑顔で締めくくった。

構成●THE DIGEST編集部

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