あこがれの街「吉祥寺」で「約3kmウォーキング」 歴史と自然「アウトドアスポット」めぐり!

井の頭恩賜公園は住宅街にありながら、のんびりと散策ができる憩いの場所だ(撮影:伏見みう)

首都圏の住みたい街に10年近くTOP3入りしている吉祥寺。このエリアには有名なアウトドアショップの大型店舗や、アウトドアのセレクトショップが軒を連ね、最近では「アウトドアの聖地」としても有名だ。また、高級住宅街としても知られ、買い物や食事スポットとしても人気が高い。

そんな吉祥寺だが、実は、源頼朝や徳川家康など歴史上の偉人たちにゆかりのあるスポットも存在する、由緒ある場所であることをご存じだろうか。

今回は、吉祥寺エリアで「井の頭恩賜公園」の1周1.6km、吉祥寺駅から「武蔵野八幡宮」までの往復約1.1kmの合計2.7kmをウォーキングしながら、ショッピングや歴史散策ができる各スポットの魅力を紹介していきたい。

■アウトドアの聖地「吉祥寺」

吉祥寺にはアウトドア専門店や大型店がいくつも軒を連ねており、近年では「アウトドアの聖地」と呼ばれてさらに注目度が高まっている。まずは、ウォーキング途中に訪れたい代表的なアウトドアショップを3つ紹介しよう。

●wolfhouse(ウルフハウス)

30年以上にわたりドイツ発祥の人気アウトドアブランド「Jack Wolfskin(ジャック・ウルフスキン)」を専門に扱う老舗のショップ。オオカミの毛皮(ウルフスキン)のように、どこでも快適に過ごせる機能性に優れたアイテムが特徴で、オオカミの足跡がトレードマークのブランド。「アウトドアの聖地・吉祥寺」として有名になる前からおしゃれで機能的なアウトドアギアを多数揃えている。

住所:東京都武蔵野市御殿山1-5-7 (吉祥寺駅公園口から徒歩約5分)
営業時間:【平日】11:30~19:30 【土日祝日】10:30~19:00

●mont-bell(モンベル)丸井吉祥寺店

吉祥寺駅から徒歩約2分とアクセス抜群の場所の、吉祥寺マルイ内にある「モンベル」のショップ。日本で生まれたアウトドア界のトップブランドで、登山をはじめ、さまざまなアクティビティのための機能性に富んだウェアを幅広く取り扱っている。店内は広く、値段は比較的リーズナブルで、多くのハイカーたちに愛されている。

住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-7-1 吉祥寺マルイ8F(吉祥寺駅公園口から徒歩2分)
営業時間:10:30-20:00

●Patagonia(パタゴニア)東京・吉祥寺

機能性に優れたアメリカ発祥のアウトドアブランド「パタゴニア」の直営店。井の頭恩賜公園の近くにあり、都会と自然の空気を感じながら豊富なギアに触れることができる。洗練されたデザインは人気が高く、キッズ・ベビーをはじめタウンユースできるアイテムなどが幅広く並んでいる。

住所:東京都武蔵野市御殿山1-5-6(吉祥寺駅公園口から徒歩5分)
営業時間:【平日】12:00~19:00 【土日祝日】11:00~18:00

■吉祥寺のウォーキングスポット「井の頭恩賜公園」内に佇む井の頭弁財天

太鼓橋を渡って井の頭弁財天を参拝する

それでは、さっそく散歩に出かけよう。まずは吉祥寺駅南口、別名「公園口」から吉祥寺のシンボルでもある都立「井の頭恩賜公園」へ。週末だけでなく平日もウォーキングをする人や、自然の中でのんびりする人たちで公園はにぎわっている。緑の中をジョギングをする人も多く、四季折々の美しい景色や、池で泳ぐ鳥を眺めながらゆっくり歩く時間は格別だ。

公園の中にあるのが「井の頭弁財天」という寺院だ。歴史は古く、関東源氏の祖である源経基(みなもとのつねもと)が平安時代の789年、弁財天像をこの地に安置し、その後源頼朝が1197年に宮社を建立したのが始まりとされている。

ここに祀られている弁財天は元はインドのヒンドゥー教の女神で、日本伝来後に仏教の神様として水神、音楽・芸能の守護神として街を見守ってきた。江戸時代の町人にも厚く信仰され、徳川家康も何度か訪れたのだそう。そんな由緒ある井の頭弁財天には綺麗な漆塗りの社殿が立っており、太鼓橋を渡って参拝する。

井の頭弁財天は立派な本堂だけでなく、境内に小さな社も建てられているのでこちらにもお参りしておこう。本堂の裏手には、霊水で小銭を洗うことで金運アップや商売繁盛のご利益がある「銭洗い弁財天」がある。銭洗い弁財天は鎌倉で有名だが、都心から近い吉祥寺でもそのご利益にあやかることができる。

井の頭恩賜公園にある池は、現在ではボートで自然を楽しめるデートスポットにもなっているが、実は徳川3代将軍の家光公にちなんで名付けられたとされる。家光公が鹿狩りに池を訪れた際、池の水を江戸の街の上水の頭(上水に使う水の水源地)としたことで「井の頭」と命名されたと言われているのだ。鳥が飛び交い、静かに波打つ池のまわりをゆっくりと歩きながら、平安から江戸、そして令和にかけて流れた歴史へ思いを馳せるのもロマンがあってよいだろう。

【アクセス】
JR・京王井の頭線 吉祥寺駅南口より徒歩約5分(駐車場なし)
【開門時間】
午前7:00~午後4:00

■吉祥寺の氏神「武蔵野八幡宮」

続いて吉祥寺駅の反対側、北口へと足を延ばしてみる。駅北口からアーケードのある「吉祥寺サンロード商店街」を北上して繁華街を抜けると、立派な鳥居の「武蔵野八幡宮」が見えてきた。

武蔵野八幡宮は、奈良時代に初代征夷大将軍である坂上田村麻呂が、宇佐神宮(大分県宇佐市)の御分霊を祀ったのが始まりとされている。徳川4代将軍の家綱公の時代に、明暦の大火によって本郷元町(今の水道橋駅付近)からの吉祥寺に移されたという。

現在の吉祥寺では「氏神」として親しまれており、パワースポットとしても人気が高く、多くの人が日々参拝に訪れている。緑に囲まれた参道を抜けると、荘厳な社殿を拝むことができる。神秘的な空間の中お参りをすると、心まで洗われたような気持ちになった。

【アクセス】
JR中央線・総無線・京王井の頭線・東京メトロ東西線 吉祥寺駅から徒歩10分

■歴史を感じながら吉祥寺散歩を楽しもう

今回は、吉祥寺駅の南側に位置する井の頭恩賜公園から、北側にある武蔵野八幡宮までの合計2.7kmをウォーキングしながら、歴史あるスポットをめぐった。

こだわりのアウトドアショップやカフェ、飲食店など都会的な施設と、穏やかな自然とが近いエリアにぎゅっと詰まった「住みたい街ランキング」上位の吉祥寺。実際に歩いてみると、アウトドアの聖地としての魅力以外に、平安以前からの神社仏閣が佇む歴史の深い場所であることを実感できた。

吉祥寺エリアに来た際は、ここでしか買えないこだわりのアウトドアギアを手に入れて、次のアクティビティの予定を立てながら自然の景色を眺めつつ、ウォーキングと歴史散策を楽しんでみてはいかがだろう。

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