100年超の歴史、刻む音を実感 山形・文翔館の時計塔内部見学会

文字盤に囲まれた塔内で時計装置(手前左)を見学する参加者=山形市・文翔館

 山形市の文翔館で8日、時の記念日(6月10日)に合わせた恒例の時計塔内部見学会が開かれた。県内外の17人が、100年以上も時を刻み続ける機械時計の音に耳を澄ませた。

 時計塔は旧県庁舎の一部として1916(大正5)年に完成した。現在も動く塔時計としては、札幌市時計台に次いで国内2番目に古い。山形市内の時計店の桝谷秀一さん(65)が保守点検を担っている。

 参加者は屋根裏の支柱の間をくぐったり腹ばいになったりして進み、地上約25メートルの塔内へ。桝谷さんから、歯車を動かす分銅を5日に1度巻き上げることや、時計装置の仕組みと歴史について説明を受けた。四方を文字盤に囲まれた塔内は気温30度近くになり、大粒の汗を流しながら熱心に見学していた。

 姉妹で参加した山形東高1年情野心菜さん(15)は「カチ、カチという針の音に癒やされる」と聴き入り、山形大付属中2年めい菜さん(13)は「歯車が動く様子は迫力満点」と声を弾ませた。

© 株式会社山形新聞社