森の一角、歓声こだま 慈善ライブに300人 川崎市宮前区

タオルを振って声援を送る観客

生田緑地初山地区の森の広場で6月1日、「第45回森の音楽会」が開催された。

音楽会は、環境保全などのボランティア活動を行う市民団体「飛森谷戸の自然を守る会(高木一弘会長)が2000年に初開催。収益金はボランティア活動資金として森に還元しており、平瀬川のホタルが飛ぶ時期の恒例企画として、回を重ねるごとに人気となった。

とんもり谷戸の一角にある「おもい出のうたのこみち」には、昨年を上回る約300人の観客が集まった。かがり火や竹灯籠が会場を照らす中、観客は16回目の出演となる音楽ユニット「style-3!」の演奏を楽しんだ。

竹灯籠のライトアップは、持続的な竹林と里山保全に取り組む「かわさきあかり」と専修大まちづくりDXラボが手掛けた。竹林整備で伐採した竹で100個の灯篭を制作し、会場を幻想的に演出した。

ホタル例年より10日早く

同会は1996年に、住民が参加して課題に取り組む「区づくりプラン」を契機に発足。同会によると、ホタルは例年より10日ほど早く観測されたという。「こっちにもいたよ」。音楽会当日はライブ会場だけでなく、平瀬川沿いでも子どもたちの歓声がこだました。高木会長は「自分たちの保全している森の中でコンサートをやりたいと思って始めた。今後も子どもたちの郷土愛を育んでいきたい」と話した。

竹灯籠が会場を演出

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