鈴木千裕vsパッキャオは「消費でしかない」 ネットで議論も青木真也は冷静「まさに見物」

青木真也【写真:徳原隆元】

4月の防衛戦では一定の評価「外国人のリーグでやった方がいい」

現RIZINフェザー級王者の鈴木千裕(25)が9日、格闘技イベント「RIZIN.47」(東京・代々木第一体育館/ABEMA PPV ONLINE LIVEで全試合生中継)にサプライズ登場。プロボクシング元6階級制覇王者マニー・パッキャオ氏(45=フィリピン)と対戦することが発表された。この一戦はネット上で議論に。青木真也はどう見ていたのか。「見物」と言いながらも「客もバカじゃない」と鋭く指摘した。(取材・文=島田将斗)

鈴木がパッキャオ氏とボクシングで対戦するのは7月28日の「超RIZIN.3」。今月23日にも五味隆典とボクシング戦を行う。本業であるMMAではなく、別の競技での連戦となる。ネット上には「心配だなぁ」「ダメージがあったら……」などの声も多く上がっていた。

青木は鈴木が4月にベルトを防衛した際には「外国人のリーグでやった方がいい」「言い方悪いけどやっぱりバカは強いですよ」と称賛とも言える言葉を送っていた。しかし今回の試合決定には「意味あります?」と首をかしげた。

「格闘技ファンとかRIZINのファンすらもあまり響いてないと思うんですよ。パッキャオってことで話題になるのは分かるんだけど、もし“パッキャオ”というものとやらせるなら、もっと枠組みを大きくしないといけない気がするんですよね。これだと意味がないし、ちょっと唐突な気がして……」

さらにこう続けた。

「とりあえず『このカード切ってやってみるか』の一環な気がします。とりあえずサイコロ振ってみるかの消費でしかないですよね。議論になっていることが不思議。展開がないのよ。あまり面白味がないのが正直本音」

鈴木と同じ階級であるクレベル・コイケは一刻も早くリマッチをしたいため、パッキャオ戦でのダメージを心配していた。

「防衛戦自体は4月にやっているから、次にあったとしても年末あたりじゃないですか。防衛戦のダメージは心配ないと思うけど、鈴木さん自身がぶっ倒されたときはちょっと心配なのかなと思います」

ここまで話すと「なんでこんな茶番に対してみんな真面目にしゃべってんだっていう気はしますけど」と直球を投げ込む。続けて「プレゼンテーターを気にした方がいいと思いますけど」と冗談を飛ばした。

レジェンドボクサー×プレゼンテーターと言えば、思い出されるのが「朝倉未来vsフロイド・メイウェザー」だ。プレゼンテーターとして登場したごぼうの党の奥野卓志代表がメイウェザーに渡すべき花束を投げ捨てる暴挙に。RIZINの榊原信行CEOが後日開かれた会見で土下座する事態となった。

「あれだよ、なんだっけ。いま訴えられてるやついるじゃん。みんなの党だっけ。選挙妨害、つばさの党だよ。そのときは土下座に気を付けてって思ったりするけど」

こう冗談を飛ばすと「でも本当に客もバカじゃないから飽きてると思うけどね」と真面目なトーンになった。

そしてこの話題の最後には「ブツ切りの毎回花火をあげ続けるものをやっていては格闘技はカルチャーにならない。だから『へー』って感じでまさに見物ですね」とまとめた。

“正統派”で戦ってきた鈴木はどんな覚悟で何のためにこの試合を戦うのか。10日正午から行われる記者会見で真意は明らかになる。島田将斗

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