屋久島の自然を大切にする心が素晴らしい…専用ハウスでツマベニチョウを飼育・観察する小学生の取り組み、環境省が表彰

さなぎを指さす児童=屋久島町の小瀬田小学校

 2024年度の野生生物保護功労者表彰で、鹿児島県屋久島町の小瀬田小学校が取り組むツマベニチョウの飼育・観察活動が、環境省自然環境局長賞に選ばれた。10年度末に閉校した隣接の小瀬田中から引き継いだのが始まり。「屋久島の自然を大切にする心を育んでいる」と評価を受けた。

 ツマベニチョウは羽の先端のオレンジ色が特徴で、羽を広げると9~10センチほどになるシロチョウ科の最大種。国内では九州南端から南西諸島に生息する。

 小瀬田小では、17年にネット張りの飼育舎「ツマベニハウス」2棟が完成。飼育栽培委員を中心に幼虫が好む食草を管理している。成虫は生態系に影響を及ぼさない数を意識しながら自然に放つ。近年は近親交配を解消するため、地元高校とチョウの交換も始めた。

 「活動を通じて屋久島の自然についても学んだ。後輩につなげたい」と栽培委員の6年吉原蒼(そら)さん。総合学習の時間に羽化までの様子を観察することもあり、6年藤原暖(はる)さんは「小さい頃からよく見ていたチョウ。餌や生態を詳しく知ることができた」と話した。

 本年度の功労者表彰を受けた県内の団体は、小瀬田小と脇本小(阿久根市)の2校。

「ツマベニハウス」で飼育活動に取り組む小瀬田小学校の5、6年生=屋久島町の同校
環境省自然環境局長賞の賞状と盾を手にする児童=5月24日、屋久島町の小瀬田小学校

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