メローニ伊首相、欧州議会選で躍進 影響力強まる見込み

Crispian Balmer Angelo Amante

[ローマ 10日 ロイター] - 欧州議会選でイタリアのメローニ首相が率いる右派「イタリアの同胞」が国内第1党となり、同氏の影響力が内外で強まる見通しとなった。

開票率96%の時点でイタリアの同胞の得票率は28.8%と、前回2019年の欧州議会選の4倍以上となったほか、22年のイタリア総選挙の26%も上回った。

メローニ氏は10日、党本部で「イタリアが主要7カ国(G7)と欧州に最も強力な政権として臨むことを誇りに思う。以前にはなかったことだ」と述べ「満足であると同時に大きな責任でもある」と表明した。

野党の中道左派「民主党」は24%で2位、左派「5つ星運動」は9.9%で3位だった。

与党連合の得票率は47%強と22年の43%弱から支持を伸ばした。イタリアの同胞と連立を組む「フォルツァ・イタリア」と「同盟」それぞれ9.7%と9.1%だった。

イタリアの同胞はネオファシストグループに起源を持ち、22年の総選挙での勝利は欧州全土における極右勢力の躍進を方向付けた。しかしメローニ氏は国際舞台ではイメージを和らげ、反欧州連合(EU)発言を封印し、主流の中道右派と保守陣営の橋渡し役となっている。

欧州議会選での躍進は、敗北を喫したフランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相と対照的な結果となった。

メローニ氏らが率いる欧州保守改革(ECR)がフォンデアライエン欧州委員長の2期目を支持した場合、ECRの存在感が高まりイタリアがEUの新執行部に影響力を持つ可能性がある。

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