復興願う音涼やか 能登島で風鈴作り

生産が最盛期を迎えたのと風鈴=七尾市能登島向田町の能登島ガラス工房

 七尾市能登島向田町の能登島ガラス工房で、風鈴作りがピークを迎えている。島内には現在も能登半島地震の爪痕が残っており、10日は職人が早期復興への思いを込めながら、ガラスに息を吹き込んで膨らませる作業に励んだ。

 工房では「のと風鈴」と名付け、青やピンクなど色とりどりの作品を土産品として扱っている。風受けには石川県無形文化財の高級麻織物「能登上布」が使われており、上品な絣(かすり)模様と涼やかな音色が特長となっている。

 工房は震災で断水が続き、3月20日に営業を再開した。職人の高橋真人さん(46)は「一つ一つ丁寧に作っている。手に取った人が少しでも能登のことを思ってくれればうれしい」と話した。

  ●県内8地点で夏日

 暦の上では梅雨入りとされる「入梅(にゅうばい)」の10日、石川県内は晴れや曇りとなった。最高気温は七尾27.2度、金沢26.3度など8地点で夏日となった。

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