「高校サッカーの時もよくあった現象」とは? C大阪戦の2失点を重く受け止めた黒田剛監督「一度飲み込んだものをグワッと出してしまう」【町田】

セレッソ大阪とのルヴァンカップ・プレーオフラウンド、敵地での第1戦を3-1で制したFC町田ゼルビアは、続く第2戦をナ・サンホと昌子源のゴールで21分までに2-0とした。だが、そこからパフォーマンスが低下。結果、前半のうちに追いつかれる展開となった。

最終的にこの試合を2-2で終え、2戦トータル5-3で勝利した町田だが、黒田剛監督はホームでの2失点を重く受け止めていた。

「すごく見えたのは、高校サッカーの時もよくあった現象。前半に2-0とリードしたからといって内容的にすごく良いわけではない。いずれもリスタートからポンポンと2点入って何か緩む、この2点で勝ったかのような誤解というか、勘違いが生まれるパターンがあります」

第1戦で得たアドバンテージを忘れてホームで勝つことに集中しろと、試合前に黒田監督は他の注意事項も含め選手たちに伝えている。しかし、「選手たちは戦術やゲームプランもグッと飲み込んでゲームに入りましたが、2点を取って色気が出てきた」(黒田監督)。

「自分たちが考えないような展開で得点が決まり、2試合トータルで4点差になって、一人ひとりの感情が違うように、思考も変わって一度飲み込んだものをグワッと出してしまう。もちろん中には出さない選手もいますが、俺もゴールをしてやろうとか色気を出すケースがあります」

ある種のスタンドプレーがチームの歯車を狂わす原因になると、黒田監督はそう捉えている。

「これくらいボールに寄せていれば大丈夫だろうとか、みんなが90パーセントくらいの取り組みになると、チームとして100パーセントを出せなくなる。そういうことを選手たちはまだ分かっていません。シュートブロックは遅いし、普通にクロスを上げられてしまう。注意が散漫になるきっかけが2点リードにあったと思います。そこでグワっと出たものをもう一度飲み込んで、やれるチームが常勝軍団になれる。グワっと出たまんまやってしまうということは、まだまだだなという印象です」

プレーオフラウンドを突破してなお、自チームに厳しい目を向ける黒田監督。サッカーの深層を理解しているからこその見解とも言えるだろう。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

© 日本スポーツ企画出版社