昔のイクラちゃんは話せた? 39年前に放送された『サザエさん』で発していた“言葉”

フジテレビ【写真:ENCOUNT編集部】

公式からも消された設定…イクラちゃんの「言葉を話す姿」

ご長寿テレビアニメ『サザエさん』(フジテレビ系)には、主人公・磯野サザエのいとことして波野ノリスケ一家が登場する。ノリスケと妻のタイ子の1人息子・イクラは、視聴者から「イクラちゃん」という愛称で親しまれているキャラクターだ。赤ちゃんから幼児になりかけといった風貌で、作中では「バブー」などと発し、はっきりとした言葉は話していない。そんなイクラちゃんだが、過去の放送では言葉を発していたことがあるという。イクラちゃんが話すという幻の放送回について情報をまとめてみた。

アニメ『サザエさん』の公式ホームページによれば、イクラちゃんの年齢は「1歳半くらい」。同ホームページではイクラちゃんのことを「『チャーン』『ハーイ』『バブー』の3つの言葉を使いわけてしゃべります」と紹介している。

つまり、公式設定では「イクラちゃんはまだ言葉をしゃべらない」ということだ。

そんなイクラちゃんが言葉を発したのは、1985年6月に放送されたNO.2433『おかえりなさいイクラちゃん』でのこと。名古屋に転勤していたノリスケ一家が、東京に帰ってくるというエピソードである。

ある日、磯野家にカセットテープが届けられる。再生してみると、ノリスケの声で東京に帰る旨のメッセージが入っており、最後にイクラちゃんの「かえる」という声が入っていたのだ。

イクラちゃんのしゃべり声に驚いた磯野家の面々は、帰ってきたタイ子に話を聞いてみることに。タイ子によれば「時々だけどボソボソしゃべるようになった」とのこと。この時、磯野家に来たイクラちゃんは「できる」と言葉を発し、磯野家全員を驚愕(きょうがく)させた。

その後もイクラちゃんは「パパ」「ママ」などいくつかの言葉を口にしたが、85年の放送から39年がたった2024年現在、先述の通り公式ではイクラちゃんが使えるのは「3つの言葉」のみ、となっている。

一度は言葉を話せたイクラちゃんが、なぜ再び話さなくなってしまったのか。その真相は明らかにされていない。この事実に、ネット上では視聴者から「イクラちゃんが喋ったのを観た記憶がある」など、当時の視聴を思い出す声が上がっている。

また、視聴者からは「イクラちゃんの言葉の発達は大丈夫なのか」という心配の声も。

一方で、子どもの言葉の発達には個人差があり、1歳半の時点では身振りや声のまね、指さしなど大人とのコミュニケーションがとれていれば、言葉が出ていなくてもそれほど心配しなくて大丈夫との声もある。

1歳半の時点で言葉が多く出ている子どももいるが、イクラちゃんの場合「チャーン」「ハーイ」「バブー」で周囲とコミュニケーションが取れているので特に問題はないのだろう。

言葉を話すイクラちゃんも確かにかわいい。しかし、現在の「3語のみを使いわける」という縛りがあってこそ、イクラちゃんというキャラクターの個性がより一層引き立つのではないだろうか。カキMONO.1

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