バナナをクリックするだけの謎ゲー『Banana』が突如人気に。『APEX』『CoD』抜き、1日数十万人がプレイ

Image:aaladin66/Steam

『Banana』は、画面上に表示されたバナナのイラストをマウスでクリックすると、画面上に数字が表示され、クリック数に応じてカウントアップされていく、ただそれだけのゲームだ。

ところが、PCゲーム販売プラットフォームSteamでは、数々の人気ゲーム、大作ゲームに紛れて、この『Banana』が「最もプレイされているゲームトップ100」の第3位に上昇している(記事執筆時点)。

ではなぜこのゲームがこれほどまでに人気なのか。その秘密は「バナナの皮」にある。バナナを何度もクリックすると定期的にバナナの「スキン」、つまりの装飾アイテムがSteamのインベントリーにドロップされるのだ。通常のスキンは3時間ごとに入手でき、レアなスキンは18時間ごとに投下される。ゲームのDiscordコミュニティ登録数が1万人を超えたときなどのイベント時には、特別にレアな限定スキンもドロップされた。

スキンはバナナが様々なテーマでイラスト装飾されたものが多い。ディスコのミラーボールのようにきらびやかに回転アニメーションするものや、ただのPCのBIOS画面(もやはバナナですらない)もあり、全部で数十種類はあるようだ。

Image:Steam

そして、ユーザーは入手したスキンをSteamコミュニティマーケットに出品でき、誰かがスキンを購入すれば、ユーザーは何もせずに収入を得られる。ほとんどのスキンは、販売しても数セントの価値しかない。ところが、珍しいスキンなら高値で出品しても購入者が現れる。たとえば、Crypticnanaと呼ばれるスキンは25個しかドロップされなかったため非常に高額になり、1000ドルを超える価格で売買が成立したという。

つまりバナナをクリックして入手したスキンが、希少なレアものだったりすれば、トレーディングカードのように高額に化ける可能性が高く、これが多数の一攫千金狙いのプレイヤーを惹きつけている要因となっているようだ。

なお、ユーザー間の取り引きで生じた支払額からは、アイテムクリエイターとゲーム開発者がいくらかの割合を受け取るようになっている。実際、開発者は収益の大半をスキン売買から得ているとのことだ。バナナをクリックして手に入るかどうかわからないSSRスキンを期待するよりも、スキンを作る側に立つほうが堅実に収益化できそうな気はしないでもないが、レアアイテムと聞けばとにかく入手したくなる人は多いのかもしれない。

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