NHK来秋朝ドラモデルに小泉セツ 過去には檀ふみさん演じる、島根舞台3作目

「ばけばけ」のモデルとなった小泉セツ(右)と夫の八雲(小泉八雲記念館提供)

 NHK大阪放送局は12日、2025年秋開始予定の連続テレビ小説が、名著『怪談』で知られる明治時代の文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻・小泉セツ(1868~1932年)をモデルにした「ばけばけ」に決まったと発表した。セツの故郷で、八雲がこよなく愛した松江が主要な舞台となる。

 連続テレビ小説で、島根県が舞台になるのは08~09年放映の「だんだん」、10年の「ゲゲゲの女房」に続き3作目。八雲、セツ夫婦を描いたテレビドラマはジョージ・チャキリスさん、檀ふみさんが演じたNHKの「日本の面影」(1984年)が知られる。

 ばけばけは、急速に西洋化が進む中で埋もれてきた名もなき人々の心を、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語。ヒロインの「松野トキ」役などはオーディションで決め、クランクインは25年春を予定する。

 セツは松江藩士の次女に生まれ、英語教師として松江に来た八雲に出会った。八雲の執筆を助け、特に怪談での貢献は大きかったとされる。

 脚本はふじきみつ彦さんが担当。「セツさんは特別なことを成し遂げたり、とてつもない夢をかなえたりした人ではありません。言ってみれば普通の人かもしれません。だけど、だからこそいとおしいのです」とコメントしている。

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