情報漏えいで逮捕、送検された前県警部長の勾留延長を決定 鹿児島地裁、準抗告を棄却

 職務上知り得た秘密を退職後に漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕、送検された前鹿児島県警生活安全部長で無職の男(60)=鹿児島市紫原5丁目=について、鹿児島簡裁は12日、勾留延長を決定した。弁護側は同日、これを不服として鹿児島地裁に準抗告したが棄却された。勾留は22日まで。

 弁護人の永里桂太郎弁護士は「本件は公益通報に該当するもので、秘密漏えい罪は成立しない。勾留が続くことは残念。早期釈放が実現するよう尽力する」とコメントした。

 5日に簡裁であった勾留理由開示手続きで、裁判官は「罪証隠滅と逃亡の恐れがあるため」と勾留理由を説明。容疑者は「野川明輝本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとした」などと意見陳述した。弁護側は同日、勾留取り消しを求めたが認められなかった。

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