15歳で言葉も通じぬメキシコへ ボクシング元世界王者・亀田和毅は「一歩踏み出す勇気」を説いた…高校生に訴えたのは夢を持つ大切さと「失敗を恐れるな」 鹿児島商業高で講演会

亀田和毅さん(右)のチャンピオンベルトを手に取る生徒たち=12日、鹿児島市の鹿児島商業高校

 プロボクシングの元世界王者で、「亀田3兄弟」の三男としても知られる亀田和毅さん(32)が12日、鹿児島市の鹿児島商業高校で講演した。メキシコでの武者修行などを通じて成長した経験を語り、約550人の生徒に「失敗を恐れず、一歩踏み出す勇気を持とう」と呼びかけた。

 8歳でボクシングを始め、15歳でメキシコへ。公用語のスペイン語はゼロから学び、「ジムで聞いたことを全部メモし、家で辞書をめくり続けた」。出場したアマチュアの試合ではブーイング一色だったが、「結果を出せば認めてもらえる国。頑張ろうと思えた」。

 同国でプロになり、2013年にWBO世界バンタム級を制した。18年にWBC世界スーパーバンタム級暫定王者の座もつかんだ。今もフェザー級で戦い、後進の育成にも取り組む。

 トレーニングは過酷だが、「やめたいと思ったことは一度もない」という。「人生プランをしっかり立てることでモチベーションが上がり、つらいことも乗り越えられる」と語り、夢を持つことが大切と説いた。

 アスリートスポーツ科1年生との交流もあり、生徒はチャンピオンベルトの重さに驚いていた。硬式野球部の奥村翔さんは「チャンピオンの言葉はひと味違った。目標にしたい」と話した。

「失敗を恐れず、一歩を踏み出そう」と語る亀田和毅さん=12日、鹿児島市の鹿児島商業高校

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