舌で感じる"恐竜時代"…白亜紀地層の石で焙煎したコーヒー「白亜紀珈琲」開発 福井県の石材会社

コーヒー豆を小和清水石で焙煎した「白亜紀珈琲」=福井県越前市芝原3丁目の宝木石材

 福井県越前市芝原3丁目の石材会社「宝木石材」が、福井市内の白亜紀(約1億2千万年前)の地層から採集された「小和清水石」の端材で焙煎したオリジナルコーヒー「白亜紀珈琲」を開発した。芳醇な味わいと香りが特長で、寳木(たからぎ)幹夫社長(58)は「恐竜が存在した時代に思いをはせながら味わってほしい」と話している。

 大のコーヒー好きという寳木社長。「福井が誇る恐竜を、コーヒーを通じてより多くの人に興味を持ってもらえないか」と思い立ち、県や勝山市とも協議の末、小和清水石を使った商品開発に行き着いた。

 小和清水石は福井市美山地区の手取層群で採れる砂岩で、主にそばを引く石臼や墓石などに利用されている。現在はほとんど採集されていない。

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 寳木社長は社内に眠っていた端材を活用し、県外の焙煎士の協力の下、試作を重ねた。フェアトレードで仕入れたエチオピア産のコーヒー豆を使い、端材を200度で熱して出た遠赤外線で約30分かけてじっくりとロースト。深みのある味と香りに仕上げた。

 酸味が少なく、飲みやすさにもこだわったといい、寳木社長は「幅広い世代にお勧めしたい自信作」と話す。

 用意したのは、焙煎した豆の袋詰めと、ひいた後の粉の袋詰め(いずれも100グラムで1404円)、ドリップパック(1袋237円)の3種類。同社と勝山市の道の駅「恐竜渓谷かつやま」で販売しており、今後、県内外のその他の店への出荷も予定している。

 寳木社長は「ロマンあふれる恐竜の存在を感じる一杯を、時間をかけてゆっくりと飲んでもらえたら」と話している。宝木石材で購入する場合は事前連絡=電話0778-22-6307=が必要。

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