西武・中村祐太 古巣との初対戦で自己最速150キロ 広島ファンの拍手に「涙が出そうに」8戦連続無失点

9回、力投する西武5番手・中村祐(撮影・大泉謙也)

◆西武0―5広島(13日、ベルーナドーム)

昨オフの現役ドラフトで広島から移籍した西武の中村祐太が古巣相手に初登板し、9回の1イニングを三者凡退に抑えた。

場内に名前がコールされると、広島ファンからも拍手が鳴り響く中でマウンドへ。「涙が出そうになった。うれしかった」と気持ちが高ぶった中でやや球が上ずりながらも、大盛穂を左飛、矢野雅哉は一ゴロに打ち取り、最後は秋山翔吾を二ゴロに仕留めた。矢野の初球には自己最速を更新する150キロをマーク。「パ・リーグのバッターは振りが強いので、良い真っすぐを(ストライク)ゾーンに自信を持って投げ込むよう取り組んだ。今はそれができているので、良い結果も出ている」と手応えを口にした。

11日には7勝目を挙げた広島・床田寛樹がヒーローインタビューで「西武ファンのみなさん、中村祐太をよろしくお願いします」と呼びかけた。2人は同日夜に会食。床田から「お願いしといたで」と言われた中村祐は「最初知らなくて。そしたら記事が出て、ありがとうございます、と」と感謝。この日は登板後も両軍のファンから拍手を送られた。

リードされているときの登板がほとんどで、多いときにはブルペンで6回肩をつくりながら出番がなかったこともある。それでも「やってくれと言われたらやらないといけないのが仕事。行け、と言われているところで結果を出せるように毎日いい準備をして試合に臨めたら」と前を向く。この日で登板8試合連続無失点で、この間打たれた安打はわずかに3本。借金22で最下位と苦しいチームのブルペンを懸命に支えている。(末継智章)

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