381系「旧型やくも」引退…ラストランへ全国から鉄道ファン集結

多くのファンが駆け付けました。
40年以上にわたって山陰を走り続けた381系、通称「旧型やくも」のラストランイベントが14日、JR米子駅で行われました。ラストランへ…さようなら、「旧型やくも」。

14日午前9時すぎ、JR米子駅には続々と集まる人たち。

そのお目当てはもちろん…

松原佑基キャスター
「381系 旧型やくもにお別れをしようと多くの人が集まっています」

午前9時20分ごろホームに到着した「381系」国鉄型特急電車・通称「旧型やくも」。

このうち「緑やくも色」と「国鉄色やくも」。リバイバル塗装を施された車両がきょう、定期運行、最後の日を迎えました。

ホームでは、そのやくもに乗ってきたファンや最後の雄姿を一目見ようと集まったファンが盛んにシャッターを切っていました。

この「旧型やくも」の運用が始まったのは40年以上前の1982年。

岡山と山陰を結び、カーブの多い区間でもスピードを維持できるよう国鉄が開発した自然振り子式車両で、それまでのキハ181形から大幅な所要時間の短縮を実現し、長く親しまれてきました。

「やくも」の思い出は、旅立ちとともに。
米子駅構内に置かれたホワイトボードには、職員による「やくも」の思い出が【感謝状】としてつづられていました。

「私はあなたと同じ1982年生まれです。初めてあなたと出会ったのは、小学校の修学旅行。」
「大切な親友の旅立ちの時は、笑顔であなたに手を振りました」

利用客は
「めちゃくちゃ絵が上手な駅員さんおるんやなと思ってすごいなと思いました」
「こういった感謝状も見れて、やっぱり山陰のほうの人とか、地元の方とかにすごい愛された列車なんだなってことを感じました」

鳥取県・日野町にある下榎踏切付近では、「旧型やくも」の最後の姿を写真に収めようとファンが集まり、JR関係者や警察、鳥取県職員などが、警戒にあたっていました。

「新型やくも」がデビューした今年4月にはこの撮影スポット付近で、線路に人が立ち入ったとの情報があり、列車が遅れるなどの事案が発生していますが、きょうは大きなトラブルはなく、県内外から訪れた多くの鉄道ファンに見送られながら「旧型やくも」は岡山に向かっていきました。

鉄道ファン(東京から)
「東京の新宿区から来ました。サンライズに乗って岡山まで来て、あえて乗り捨ててやくもに乗ってきました。子供と最後に乗りたくて」

ファンの子供
「ちゃんと撮れました。かっこよかった」

乗客は
「最初で最後の381系の乗車だったので、なんか…何でしょう…、もっと乗りたかったなって言うのが正直な感想です」

ホームに来たファン
「あの車両自体も乗ったことのあるものだったので、小さい頃ちょっと思い出しながら、ほんとにこれでこの車両も終わりなんだなというのを改めてかみしめた、そんな感じでした」

JR西日本山陰営業部 足立智 課長代理
「全国からですね、鉄道ファンやそれ以外のお客様たくさんご利用いただきました。381系をいろんな方にご利用いただいて、たくさんの方に愛された列車だったんだなというのを改めて感じているところです。
たくさんのお客様を乗せて走っていただいて、ほんとにありがとうという気持ちでいっぱいです」

40年以上にわたって山陰と岡山を結び人気を集めた「旧型やくも」。
各車両の定期運行最終時間は、いずれも出雲市駅への到着時間で、「緑やくも色」、「国鉄色やくも」が今夜、「ゆったりやくも色」が、15日午前となっていて、40年以上愛された車両の歴史に幕が下ろされます。

© 株式会社山陰放送