4万円相当の「着る健康」を無料で配布 人口800人の村で200人が参加する「健康まつり」【岡山・新庄村】

新庄村で驚きのイベントです。年に1度、村の高齢者の半数以上が訪れるという祭りがあるのですが、その祭りで、今年は1人に付き4万円相当の「あるもの」が無料で配布されました。その祭り、そして配られたものとは?

新庄村で11日に行われたのはその名も「健康まつり」です。人口わずか約800人の村で、200人近くが訪れる年に一度の大イベントです。会場では無料で健康診断を受診できるほか、体操や食事の指導など健康につながるサポートもあわせて受けられます。

(村民)
「できれば私は自分で(健康診断に)行きたいけれど、今はちょっとよういかないので、(検診の場を)作ってもらえるのはありがたいと思っています」
「毎年こうやってみんなの健康を守ってくれるのはいいと思いますね」

岡山県の高齢化率は31.3%。その中で新庄村は岡山県内で最も高い45.4%…ほぼ2人に1人が65歳以上の高齢者です。

新庄村では、高齢者が、健康を維持して健康寿命を伸ばすことができればと様々な対策を行っています。

(新庄村総務企画課 千葉智明主幹)
「週に一回の健康の体操教室、フレイル予防というものも行っておりますし、先月末には全住民対応のスポーツチャレンジデー、体を動かそうというものやっておりますので」

新庄村役場の千葉さんが語る「フレイル」。これは年齢とともに、筋力や心身の衰えを感じる状態で、健康と要介護の間の状態を表す言葉です。政府も、今後介護費用の増加が懸念される中、少しでも増加を食い止めることができればと「フレイル予防」を掲げています。

村民200人に配られた4万円相当の品とは?

そんな中、新庄村の健康まつりでは村民200人に、シャツ2枚とスパッツ2着あわせて4万円相当のものが無料で配られました。

宮城県仙台市の衣料品メーカーが開発し、企業版ふるさと納税を活用して新庄村に商品を寄付。トルマリンとテラヘルツの鉱石を練りこんだインクをプリントし、遠赤外線が放出され血行促進などの効果が期待できるといいます。

これまでにも15の自治体と実証実験を行っていて、メーカーでは新庄村でも実際に着用した効果を確認したいとしています。

(りらいぶ 永作和也さん)
「今後はリライブシャツを通じて、日本のみならず世界じゅうに広まってですね。健康のお役立ちをしたいと考えています」

(村民)
「着る健康のものがあるっていうのでいただきました。着ます。着て寝ます」

メーカーでは村民に2か月後と、来年の健康まつりの際に体調の変化などを確認するアンケートを行う予定です。

集約したデータが今後の製品開発に生かされて高齢者の健康増進につながることが期待されます。

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