【今週の労務書】『人事のためのデータの見方・使い方』

外部環境の理解に

バブル崩壊後から続く失われた30年。著者は失われた30年の原因の一端は、人事管理の非合理性にあると説く。具体的には、エンゲージメントなど、パフォーマンスを上げるための議論に過度に集中しており、自社のレベルを定量的に測定してこなかったと強調している。

本書は人口と雇用、労働市場など、人事施策に影響を与える主要データを48個収録し、その読み解き方を解説している。足元の外部環境がどのような状態か、今後どのように変化していくかが理解可能だ。それぞれのデータの巻末では、環境変化に適合するために必要な施策も紹介している。

「人口減少」「人手不足」などの一言でまとめられがちな外部環境。データを押さえることで、別の側面が見えてくるだろう。

(林 明文 著、中央経済社 刊、税込2970円、TEL:03-3293-3371)

© 株式会社労働新聞社