「毎日が試合の感覚」ソフトテニスから音響の世界へ 金メダリストが会社員として奮闘

広島を拠点にソフトテニスの第一人者として活躍した女性が、オーディオの世界に舞台を移し、忙しい日々を送っています。

360度全方位に音が響き渡るスピーカー「エグレッタ」を手がけている北広島町のオオアサ電子。その東京オフィスで働いているのが 半谷美咲(はんがい・みさき)さんです。

半谷美咲 さん
「いままでにない小型の、音の躍動感、再生を表現しているなと」

東京オフィスはオオアサ電子のブランド、エグレッタを首都圏に売り込む重要な拠点です。半谷さんが入社したのは去年4月。それまでは北広島町のクラブチーム「どんぐり北広島」に所属するソフトテニスの選手でした。

小学生の時にソフトテニスを始め、社会人としては9年間、プレー。ダブルスをメインに攻撃的なプレースタイルで鳴らし、トップ選手として活躍しました。アジア大会や世界選手権で金メダルを獲得するなど輝かしい経歴を持ちます。

拠点を置く北広島町の住民からは熱烈な応援を受けていました。充実した選手生活でしたが、去年3月、現役を引退しました。新たな舞台に選んだのが、オオアサ電子でした。

半谷美咲 さん
「もともと音楽は好きで、選手時代も音楽を聴いてモチベーションを上げたりとか音楽に励ましてもらったりとかあったので」

いまは4月に発売された新製品のPRに力を入れています。先月には東京オフィスでお披露目会を開催しました。来場者に説明しているのは、音響一筋60年の 川崎博愛(ひろよし)さん。常勤ではありませんが、“お師匠様” のような存在で、半谷さんは川崎さんからさまざまなことを学んでいます。

川崎博愛 さん
「いろんな新しい発想が仕事って求められる。そういうときに彼女は非常に幅広い視野で考えてくれる」

― 教えがいがありますね。
「すごく。いい人が来てくれたなと思っています。」

半谷さんに目標を尋ねても、「まずは新商品の良さを知ってもらいたい」と答えるなど、堅実な人柄が垣間見えます。

半谷美咲 さん
「いまは毎日が試合っていう感覚で、競技は試合に向けて練習していく、調整をするんですけど、仕事は毎日が試合っていう感覚です。」

「テニスも仕事も日々、積み重ねるところは同じ」と話す半谷さん。テニス漬けの生活から一変。いまは音の世界の奥深さに魅入られています。スピーカーを海外に販売する事業に携わることになり、ベトナムへの出張も任されました。

半谷美咲 さん(2017年2月 北広島町の祝賀会でのあいさつ)
「監督の教えはテニスで日本一、人格日本一なので、テニスだけじゃなくて人間としても成長したい」

北広島町での選手時代、このように誓っていた半谷さん。ソフトテニスの名選手は、現役を引退してからも努力を続けています。

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