ソフトバンク王貞治会長「もう一回、開幕のつもりで」 2位日本ハムと8.5ゲームの大差も4年ぶりVへ向けて油断なし

ベンチで練習を見つめるソフトバンク王会長(撮影・栗木一考)

◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク1―4阪神(16日、みずほペイペイドーム)

いわゆる「スミ4」負けだ。初回。先発石川が2四死球と制球を乱し、5番前川の満塁弾で先制される最悪の立ち上がり。チームの失点は結果的にその4点だけだった。

しかし、この「代償」はあまりにも大きすぎた。阪神先発の才木はセを代表する右腕で、ここまで7勝1敗で防御率も1.19を誇っていた。そんな相手にいきなり4点のビハインドを負っては、付け入る隙を与えてもらえないも同然だった。

事実、ホークス打線は7回に5番近藤のソロ本塁打で1点を返すのがやっとだった。この敗戦により、最終戦まで争った5年ぶりの交流戦制覇もリーグで11ゲーム差をつけている4位の楽天に譲る結果となった。

ただ、この〝V逸〟を悔やんでいる選手や首脳陣は皆無に等しい。あくまでもチームの目標は4年ぶりのリーグ制覇であり、その先の日本一だ。交流戦最終戦を見届けた王球団会長も「もう一回、仕切り直そう」と21日に再開されるリーグ戦に照準を定めていた。

いや、照準を定めたというよりも、気を引き締め直したという方が正しいかもしれない。現状、2位日本ハムには8.5ゲームもの大差をつけて独走状態にあるが、王会長は「ここまでのことは考えなくていい。ゲーム差も関係ない。もう一回、開幕のつもりでね」と力を込めた。再開されるリーグ戦が待ち遠しい。

(石田泰隆)

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