「手足口病」感染拡大 広島県で2年ぶりに「警報」発令 小児科医「まずは規則正しい生活を」

小さな子どもを中心に夏に流行する「手足口病」についてです。全国的にも流行の兆しをみせていて、広島でも感染が広がる恐れがあるとして広島県が13日「警報」を発令しました。「手足口病」とは―。専門家に聞きました。

広島市南区の病児保育室「みどりキッズ」です。14日は、手足口病と診断された女児(3)と男児(9か月)の合わせて2人の子どもがいました。

もり小児科・病児保育室「みどりキッズ」 森美喜夫 院長
「ブツブツはどこにある?」

女の子の手には赤い発疹。熱は約38℃です。こちらの小児科でも5月末ごろから手足口病の患者が増え始めたといいます。

もり小児科・病児保育室「みどりキッズ」 森美喜夫 院長
「実際に熱が半日~1日出る子が半分ぐらいですかね。半分ぐらいのお子さんは発熱なく、手足に発疹が出て受診されています」

夏に流行するウイルス性の感染症「手足口病」。口の中や手足などに発疹が出て発熱を伴うこともあります。まれに髄膜炎を引き起こすこともありますが、一般的には1週間程度で治ります。

広島市の22か所の小児科で先週(3~9日)報告された患者数は123人。1医療機関あたり5.59人と「警報レベル」の5人を上回りました。

広島市によりますと「警報レベル」を超えたのは2019年以来、5年ぶりということです。

もり小児科 森美喜夫 院長
「ここのところ、コロナでずっと感染対策をしたので、一般的な感染症が抑えられていて人流が戻ってきたので、免疫がつかなかった3年間の免疫を今、子どもたちが次から次へと病気にかかって蓄積している状況です」

広島市の感染状況を受けて県は13日、2年ぶりに「手足口病警報」を発令しました。

子ども(1)が手足口病の疑い
「保育園ですごくはやっていると先生から聞きました。発熱すると仕事の調整も大変で困ります」

子ども(1)が発熱
「はやっているみたいですね。不安です。いつかかるか分からないので」

感染経路は飛沫感染や接触感染。広島県では、▽石けんを使った手洗いや、▽おむつの適切な処理などを呼びかけています。

森医師は、まずは「規則正しい生活」が基本になると話します。

もり小児科・病児保育室「みどりキッズ」 森美喜夫院長
「こういう普通の病気は小さいうちにかかった方が人生の中ではいい。普段の基礎免疫、自然免疫をしっかり保っておくと、かからないか症状が出ないか、かかっても軽く済むので、基本的に『早寝早起き・規則正しい生活』をするということは大切なことだろうと思います」

【手足口病】
▽ウイルスの飛まつや接触で感染。手・足・口の中などに発疹。頭痛や嘔吐を伴 う高熱が続く、口の中に発疹ができて痛くて水分がとれないなどの症状があれば要注意。
▽患者の約9割が4歳以下
▽現状ではインフルエンザや新型コロナのように感染したら即「出席停止」になる 病気ではない。熱が下がれば登校できる
▽流水やせっけんでの手洗いが基本。タオルの共用はやめる
▽乳幼児はうまく伝えられない場合もあるので口の中の発疹が痛くて水分不足になっていないか注意が必要。

取材した森美喜夫医師が言われていたように「規則正しい生活」を送り、よく寝てよく食べて健康的に過ごすことが大事。感染症を寄せ付けず夏も元気に乗り切りたいですね。

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