ふるさと志賀をすしで元気に 村田さんUターン、22日開業

自慢のにぎりずしを提供する村田さん=志賀町高浜町

  ●首都圏で18年間腕磨く 「待っとるぞ」旧友ら後押し

 東京などの老舗店や人気店で18年間腕を磨いたすし職人、村田敬太さん(36)が志賀町にUターンし、同町高浜町に22日、すし店をオープンする。町中心部での新たなすし店は10年ぶりで、県内の食材を使ったメニューを提供し、にぎわいにつなげる。生まれ育った場所で店を構えるという夢をかなえた村田さんは「能登半島地震で日常が奪われたふるさとの活気を食で取り戻したい」と意気込んでいる。

 村田さんは鵬学園高調理科を卒業後、横浜の老舗すし店に就職した。その後、東京の秋葉原や銀座などの店で修行し、2年前からは表参道にある飲食店のすし部門で料理長を務めた。昨年、母信子さん(66)から半世紀にわたって住民に親しまれ、空き店舗となっていた「幸(こう)寿し」跡を紹介され、独立を決意。昨年10月に志賀町に戻った。

 ただ、能登半島地震の影響で店舗の改修工事が滞り、開店できるか不安だったが、住民や旧友から届いた「早くオープンして」「楽しみに待っとるぞ」との声に背中を押され、町商工会の協力を得ながら家族と準備を進めてきた。

 店名は「寿しけい太」で、カウンターや座敷計24席を設けた。魚は金沢市中央卸売市場から仕入れるほか、しょうゆや酢にこだわり、すしに合うように独自でブレンドした。すしのほか、天ぷらやサラダなども提供する。

  ●旧町内で2店目

 町商工会によると、旧志賀町にあるすし店は、寿しけい太を含めて2店のみ。地元住民からの期待も大きく、オープン前にも関わらず予約が入り始めているという。村田さんは「大好きなふるさとの励みとなる存在になれるよう、自慢の味を提供し続けたい」と話した。

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