【ソフトバンク】21試合不発の山川穂高「完全休養」宣言 バット置き映像分析に全集中

6回、三振を喫したソフトバンク・山川

パ・リーグ首位のソフトバンクは16日の阪神戦(みずほペイペイ)に1―4で敗れ、交流戦最終カードを白星で飾れなかった。

12球団最多9度目の制覇に手が届いていたが、楽天に栄冠を譲り2位終戦。それでも12勝6敗という好成績に、小久保監督は「最低(勝率)5割というところでやってきた。想定外だった」と総括した。主砲・柳田が先月31日の広島戦で負傷して長期離脱。大幅な戦力ダウンを若手の台頭を含めたチーム力でカバーし、貯金を22まで伸ばした。

シーズン62試合を消化して2位日本ハムと8・5ゲーム差。順調にペナント奪回へ首位を快走しているが、21日のリーグ戦再開からも安定感ある戦いを継続するには、悩める大砲・山川穂高内野手(32)の復調が不可欠だ。ここまで12本塁打、48打点の2冠ながら現在21試合、89打席ノーアーチ。交流戦0発に終わった山川に異変が生じているのは間違いない。

練習の虫として知られ、不振中も毎朝、毎晩振り込んだ。すべての試合でアプローチを変えた。生粋のスラッガーは「僕の場合は一本のヒットではなく一発」と言い切るバロメーターがある。柳田を欠くチームもまた、一発の怖さがある山川を求めている。交流戦は3週連続の6連戦。分析家の山川から考える時間を奪っていた。試合に追われ、実戦の中で考え得る処方箋を試したが、見当たらなかった。

歯がゆさをこらえながらだが、交流戦が一区切りするのを待っていた。この日、山川は試合終了から2時間半後に姿を現したが、ルーティンの居残り特打を休止。ひたすら映像を見返していた。出て来るなり「(チーム休日の17日から)2日は完全休養です。全くバットを振らずに」と宣言。「何が自分本来の姿なのかを考える時は、今年だけではなく(過去にさかのぼって)膨大な量を見ないといけない」。体を休めつつ、貴重な48時間を映像分析に充てることを決めた。

不発の間、チームは12勝9敗と勝ち越し、大勢が大きく崩れなかったことに不動の4番は胸をなで下ろした。「この21試合が後半戦につながると信じてやっていきたい」。通算230発、本塁打王3度のプライドをかけて完全復調を誓った。

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