「世界が不安定な今こそ」高校生平和大使、広島で結団式 核兵器廃絶求め 活動へ決意

17都道府県から結団式に集まった高校生平和大使=広島市中区

 核兵器廃絶を求め、国連に署名を届けるなど国内外へ発信する第27代高校生平和大使の結団式が16日、広島市であった。長崎県を含め17都道府県から選ばれた23人が参加。「世界情勢が不安定な今だからこそ、被爆者の声を聞きながら、全国の仲間とともに核兵器廃絶の思いを訴え続けていきたい」と決意を語った。
 派遣委員会の小早川健共同代表(73)は「これからいろんな発見をして、成長につなげてもらいたい」とあいさつ。一人一人に任命証を手渡した。
 県立長崎西高2年の大原悠佳さん(16)と県立長崎東高2年の津田凜さん(16)は、ともに被爆3世。大原さんは「祖父母や被爆・戦争を体験した人から戦争の恐ろしさと平和の大切さを学んだ。それを自分自身の言葉で表現したい」。津田さんは「原爆は後遺症の苦しみ、大切な人を失った悲しみが何十年も続く。国内はもちろん、国連訪問を通じて世界に伝えたい」と抱負を語った。
 岩手県立一関第一高2年の畠山史子さん(16)は、東日本大震災で大きな被害を受けた大船渡で育った。「さまざまな国・地域からの復興支援への感謝を胸に、国際連帯の重要性を伝えていく」と話した。
 15日は広島市で研修があった。被爆者で元広島平和記念資料館長の原田浩さん(84)が体験を語り、「非常に大きな使命を皆さんは与えられた。しっかりとメッセージを発信していただければ」と励ました。
 高校生平和大使は8月、全国から寄せられた署名をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に提出する予定。

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