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無念の離脱となったチームメイトへの気遣いが小さくない反響を呼んでいる。
現地6月16日、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が本拠地で行なわれたカンザスシティ・ロイヤルズ戦に「2番・指名打者」で先発出場し、3回と6回に2打席連続となるソロホームランを放り込み、3対0の完封勝利に大きく貢献した。大谷の1試合2発は今季2度目。6月はこれで通算5本目のアーチとなった。
ド派手な花火がまず打ち上がったのは、3回の第2打席だ。大谷は相手右腕ブラディ・シンガーが投じた4球目の変化球を見逃さず、完璧に捉えてセンター左へ一直線に突き刺した。飛距離451フィート(約137.5メートル)を計測する先制の18号ソロ本塁打は4試合ぶりの一発だった。
勢いはまだ止まらない。ドジャースが1点リードのまま迎えた6回、先頭で登場した第3打席は初球をフルスイングするとボールは高く舞い上がり、右翼席中段へ着弾した。スタンド確信の19号ソロに球場は狂喜乱舞し、圧巻の2打席連発に割れんばかりの声援が背番号17に送られた。
その直後、フレディ・フリーマンにも10号ソロが飛び出して点差を3点に広げたドジャースが、そのまま逃げ切り勝ち。この2発で大谷はナ・リーグ本塁打争いでマーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)に1本差と一気に差を詰めた。
試合後、大谷は地元ロサンゼルスの放送局『SportsNet LA』のインタビューに応じ、ロイヤルズ先発のシンガーから2本のアーチを打ったことについて「数少ない甘い球をしっかり打てて良かった」と振り返り、満足した表情を見せた。
前日には右上腕の張りのため、15日間の負傷者リスト(IL)入りが発表された山本由伸と、試合途中に左手に死球を受けて負傷交代(試合後に骨折だと判明)した不動の1番ムーキー・ベッツに対する大谷の人柄が垣間見えるコメントがあった。
「チームにとってタフな瞬間が続いていますが、なんとかみんなでカバーできるように頑張りたいです。まずは早く(山本とベッツが)戻って来られるように祈っています」
無念の離脱となった同僚への気遣いと早期回復を祈った大谷。このコメントにSNS上では「優しいなあ大谷さん」「泣ける」「本当に心が痛かったんだろうね」「全員でカバーしようという心意気は素晴らしい」など、称賛する声が上がっている。
デーブ・ロバーツ監督は試合後の会見でベッツの離脱により、主に2番を担っている大谷を1番で起用する構想を明かした。チームの投打で故障者が続出するなか、スーパースターにかかる期待と責任はますます大きくなりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部