東福岡の牙城を崩し大分東明がV 目標の花園優勝に向けて大きな弾み【全九州高校ラグビー】

全九州高校ラグビー大会で初優勝した大分東明

◆全九州高校ラグビー大会決勝 大分東明45―12東福岡(18日・鹿児島県立サッカーラグビー場)

ついにヒガシの牙城を崩した。大分東明が悲願の東福岡からの勝利をもぎ取り優勝を果たした。「おめでとう。よくやった」という白田誠明監督の言葉に、選手たちはワッと歓声を上げた。

試合の主導権は常に大分東明が握っていた。開始5分でフィジー人留学生のナイツク・シミオネ(3年)のトライで先制。すぐに同点にされても勢いは止まらなかった。12分のWTB下川悠輝(3年)の勝ち越しトライから続けて3トライをあげ突き放し、前半は28―7で折り返し。後半も開始1分でトライを決めて相手の出鼻をくじいた。前後半で8トライを決め。東福岡に2トライしか許さず攻守に完勝だった。「相手はスキルのある選手が多い。そのスキルを止めるために前に出て止めてラインを上げようと話していた。ディフェンスをよく頑張ってくれました」と白田監督はプランを明かす。速いディフェンスが相手のミスを誘い王者のペースを乱した。

東福岡とは現チームスタートから練習試合で2度対戦し2勝している。それでも「公式戦での勝利は全然違います」と石川波潤主将(3年)は喜びを実感した。東福岡の初戦の佐賀工戦、準決勝の高鍋戦を見て「こうやって戦おう」と選手同士で戦術を話し合った。前半で点差はついたが「まだまだ点差は足りない。気を引き締めてやろうとみんなで話し合いました」と石川主将は最後までチームを引き締め続けた。

石川主将は福岡市出身。中学時代は香椎ヤングラガーズに所属し、福岡選抜入りして全国ジュニア・ラグビー大会などに出場。「でも全然力が足りなくて、試合に出ても途中で交代したり、主力じゃなかった」。東福岡には福岡選抜で一緒にプレーした選手が何人かいる。「向こうにはフルで活躍していた選手や、優秀選手に選ばれた選手もいたので、絶対に勝ちたいと思ったんです」。もともと九州で2強に君臨してきた東福岡と佐賀工を破るために大分東明を選んだ。この大会では公式戦で未勝利だった長崎北陽台と東福岡を破り優勝。主将としてチームに新たな歴史を刻んだ。

チームの目標は花園優勝。「これからもっと鍛えて絶対に抜かれないディフェンス。これをスローガンにしてみんなで頑張りたい」と石川主将。さらにチームの歴史を塗り替えるために、この勝利が大きな弾みになりそうだ。(前田泰子)

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