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【真岡】市などで18年間保健師として働いた北城早織里(ほうじょうさおり)さん(41)=久下田西1丁目=が20日、上大田和にブルーベリー農園を開業する。専門職として行政の枠組みの中でできる支援を経験し、新たなステップとして民間の立場で多くの人と触れ合えるにぎわい創出の場を農業に求めた。スマート農業のシステムを導入し、元保育士のスタッフと共に子育て応援や教育的な視点も取り入れた農園を目指す。
「ブルーベリーベースもおか」の名称で広さ約6200平方メートル、32品種、800本を育てる。栽培だけに労力を取られないよう、自動で水やりと施肥ができるポット栽培の手法を導入した。市職員時代の仲間や知人らと作業した全面シート張りに、休憩スペース、外遊びエリアなども整えた。
保健師として地域の健康、保健指導に関わる中で、深刻な悩みやリスクを抱える家庭にも接してきた。行政の立場からできる支援に力を尽くす日々は「子どもから高齢者まで誰もが集い、元気になれるにぎわいの場をつくりたい」という思いに変わった。
農業に興味があり、栽培手法が確立され、若い人にも人気で加工もしやすいブルーベリーに可能性を感じた。土地探しに2年を費やし、京都府の専門業者からノウハウを学び開業にこぎ着けた。一万人プールなど観光施設が集まる井頭公園周辺の好立地に恵まれた。
スタッフとして支えるのは長年の友人で22年間保育士として働いた高田、渡辺直美(わたなべなおみ)さん(44)。北城さんは3人、渡辺さんは2人の子を育てながらフルタイムで働いてきた。
子育て世代の憩いの場としてはもちろん、将来的には不登校の子どもたちの地域社会との接点になるといった教育や福祉的な意義のある活動も考えている。北城さんは「多くの人たちに助けてもらい実現できた。まちづくりの一翼を担えるような農園にしたい」と意気込む。(問)070.9055.4094。