エルヴィス・プレスリー、故郷メンフィスでの録音を完全網羅した『メンフィス』が発売

エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)の初セッションから70周年に合わせ、サン・スタジオからグレイスランドのジャングル・ルームまでキャリア全体を網羅したコレクション『メンフィス』が、5CD / 2LP / デジタル版の3つの仕様で8月9日(金)にリリースされます。

収録曲は全111曲、そのうち88曲はマット・ロス・スパングがオーバーダブを取り除いた新リミックス音源です。収録曲から、ロス・スパングがミキシングを手がけたメンフィスのミッドサウス・コロシアム公演での「ポーク・サラダ・アニー」と、マット・ロス・スパング、ロバート・ゴードン、エルンスト・ヨルゲンセンが『メンフィス』とその意義について語る映像が公開されています。

『メンフィス』は、この夏で70周年を迎えるサン・スタジオでのごく初期のセッションからグレイスランドのジャングル・ルームで行われた最後のレコーディングまで全111曲を収録したもの。69年にアメリカン・サウンドで創造的に生まれ変わり、1973年にスタックスで個人的な悩みを克服し、1974年にミッドサウス・コロシアムで彼史上もっとも華やかで魅力的なショウを行なうまでの歩みの中で、エルヴィスにとって故郷でもミューズでもあったブラフ・シティ(メンフィスのこと)は、彼の芸術性というドラマティックなアーク(物語の横糸)においてきわめて重要な役割を果たしてきました。エルヴィスの権威として名を知られるエルンスト・ヨルゲンセンがプロデュースを手がけ、レアなアーカイヴ音源や、グラミー賞受賞歴のある音楽歴史家ロバート・ゴードンがライナーノーツを書き下ろしています。

サン時代の音源を除き、『メンフィス』収録曲はすべて、グラミー賞を4回受賞したマット・ロス・スパングがオーバーダブを削ぎ落とし、エルヴィスがスタジオで聴いた生音だけが聞こえる状態にしたのち、新たにミキシングが施されています。彼の造詣深い仕事によって、エルヴィスのアメリカンでの「ザ・メンフィス・ボーイズ」との直感的なケミストリーから、彼がスタックスでのセッションでバッキング・シンガーの声を軸にヴォーカル・フレージングを繊細に組み立てていく様子、あるいはジャングル・ルームで行なわれた最後のセッションであらわにした喜びなど、多くの新たな発見を生み出しています。それら全体を通じて、エルヴィスの隣で彼に聞こえている通りの音を聞いているような感覚を味わうことができます。

© 株式会社シーディージャーナル